第六十一話 幽霊トラックのトリック、ですわ
「霧は六花ちゃんが言った通り水魔法でいいとして、トラックは?」
ぴあのさんがタカヒロ君に訊く。
「子供向けのクイズ本なんかでよくあるアレだよ。ヘッドライトだけしか見えなかったんだから、『視覚には』二台のバイクで十分」
と、タカヒロ君。
「確かに二台のバイクが並走してれば、二つのヘッドライトが近づいて、テールランプが遠ざかっていくように見えるな……でも、いくらなんでも音で気づくだろ」
馬淵君が反論する。
確かに、乗用車ならともかく、トラックと間違うにはバイクの音は軽すぎるわ。
「だから、そこでさらに別の魔法を使ったんじゃないかな。――風魔法とか」
「風魔法で音を変化させたのね!?」
そこに気づかないとはうかつだったわ。
私自身、枇々木先生と棗先生の話を盗み聞きするのに、風魔法を使ったのに!
「でも、この町に私以外に魔法使いがいたなんて」
タカヒロ君も前世の記憶を持っているわけだから、宝珠さえあれば魔法は使えるんだろうけれど、わざわざ誰も目撃者のいないところで自作自演する意味もないし。
私でもタカヒロ君でもない魔法使い……なんだか、ケロちゃんの事件や馬淵君の事件の裏にいた誰かさんの匂いがプンプンするわ。
それにしても、ケロちゃんに馬淵君にタカヒロ君。なんだか転生者ばっかりを狙っているみたい。
まだ織牙さんは直接は狙われていないし、ただの偶然なのかしら?
私がまだ知らないだけで、以前何かあったことはあるのかもね。この事件が解決したら書く人してみる必要があるかも。
「きっと他の心霊現象も魔法だったんだ……」
ぴあのさんがうんうんと頷く。
「つまり犯人がいるってことよね」
でも、その犯人っていったい誰よ。
解決した気になっていたけど、まだスタートラインにしか立ってないのよね。
「タイミング的には小林が怪しいんだけどな」
「ちょっとトシ君。いくらなんでも中間試験の順位発表と被っただけで疑うなんて」
「あーーーーーー!」
たしなめるぴあのさんの声は、素っ頓狂な叫び声で中断された。
……国木田君? おそ松さんは見終わったみたいだけど、どうしたのよ、いきなり。
「その青い玉、小林先輩が持ってたやつですよ」
――えっ。ホントに!?
サブタイトルはうまいこと言ったつもりです←




