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前世魔王の悪役令嬢は主人公になれない!?  作者: 亀梨名光
ゴーストバスターは前世魔王!?
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第五十話 幽霊の呪い、ですわ

「ヘッドライトとエンジン音がすぐそこまで迫ってきて、よけきれないって思ったら足がすくんじゃって、その場で立ち尽くしてたんだ。ヘッドライトが間近まで迫った時に目を閉じると」

「ひっ」


 タカヒロ君の話に合わせて、ケロちゃんまで目を閉じる。


「それで……それでどうなったの?」


 ぴあのさんが話の続きを催促した。


「だから、そのまますり抜けて何もなかったんだよ!」

「車が消えちゃった、ってこと?」

「ううん、テールランプが見えたし、走り去っていく音も聞こえたから消えたわけじゃないと思うんだけど……少なくとも僕にはぶつからなかったんだ」


 なるほど……確かにそれはホラーかミステリーね。


 事故現場でそんなことがあったら、もしかして事故を追体験したのかも、って思っちゃいそう。


「でもそれだけならたまたま一度不思議現象に巻き込まれただけで、呪われたわけじゃないんじゃない?」


 ぴあのさんがタカヒロ君をなだめるように言う。


 確かに一回の不思議現象で呪われただの憑りつかれただのはオーバーな気がするわね。タカヒロ君らしくないわ。


「もちろんそれで終わりじゃないよ。その事件以来、ラップ音とか、ポルターガイストとかが身の回りで……」

「それは、結構本格的にやばいですね」


 ケロちゃんが小刻みに震えている。


「ケロちゃん、もしかしてお化けとか怖いの?」

「三次元だと怖いです」


 そ、そうなの。


 二次元と三次元であまり地雷に差がない、よほど露骨に改悪されてなければ実写化も批判しないケロちゃんだけど、例外はあるみたいね。


 私は『幽霊だから怖い』っていうのはそんなに感じないけれど、『わけのわからないものへの恐怖』みたいなのはじわじわ感じているわ。たぶんタカヒロ君も同じ感じなんだと思う。


 そんな中、ぴあのさんだけが。


「そんなの、タカヒロ君困るでしょ! なんとかしないと!」


 なんて、一人で張り切っている。


「ぴあのさん、あなた、ガードレールの幽霊が怖いんじゃなかったかしら?」

「怖いけど……タカヒロ君が困ってるのをほっとけないよ!」


 ぴあのさんらしいわね。


 私はちょっと呆れたけれど。


「確かに困ってるタカヒロ君を放っておけないわよね」


 って、そこに関してはやっぱり同じ意見だったり。


「よーし、そうと決まれば」


 ぴあのさんは気合いたっぷりにこぶしを振り上げて。


「……どうしよう?」


 すぐにこぶしの行き場をなくした。


 幽霊騒ぎの解決、って言ったって、素人の私たちにはどこから取り掛かっていいかさっぱりだわ。


「やっぱり、まずは枇々木先生に相談するべきじゃないですか?」


 最初に提案したのはケロちゃんだった。


「なんで枇々木先生?」

「幽霊騒ぎとなると、夜にいろいろ調べたりする必要が出てくるでしょうし、そういうときに大人に見つかって問題にならないように、あらかじめ担任の先生の許可はとっておいたほうがいいですよ」


 と、ケロちゃん。


「廃ビルの事件とお菓子コンクールの事件で、最近丘目木の若者の治安が乱れているって大人たちは思ってるみたいだから、先生の許可なしで動くと問題になりそうだよね」


 タカヒロ君もうなずく。


「それに、私の事件の時に枇々木先生、言ってたじゃないですか。『困ったことがあったら大事になる前に私に相談しろ』って」

「あー! それ、言ってたわね」


 ケロちゃん事件の帰り道、だったかしら。枇々木先生ってなんだかんだで生徒思いなのよね。


「よーし、さすがにホームルームで話すわけにいかないから、昼休みに職員室前で集合!」


 ぴあのさんが再びこぶしを突き上げた。


早いもので五十話突破です! これからもよろしくお願いします!

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