7
柊きらりの日記より抜粋
9月14日 同時に巨鳥の月 妖鳥の日
今日ゎにちょー祭りの匕だぁたのに、りゅぅぉぉがきたとかでだぃなしだょ!
ゥチは激ぉこぷんぷん丸だょ! プンプンだょ!
このぃかりはりゅぅぉぉに文句ぉぃゎなぃとぉさまらないょ!
ゥチのデェトを邪魔したっみはぉもぃんだから!
イーストゴート領は順調な発展を遂げていた。
光皇子ブランドンは領地運営にも優れた手腕を発揮し、革新的な仕組みをいくつも施行した。
相次ぐ戦争と、強引な領地拡大で荒れ果てていた領内は、徐々に豊かになった。
近隣諸侯は、その先進的な手腕を学ぶべく子息たちをこぞってブランドンのもとへ留学に出した。
子息たちに、ブランドンはその手腕を惜しげも無く披露した。
英雄と愛妾の魅力を併せ持つブランドンに、子息たちは心酔する。
彼らは心に誓った。
「家を継ぐ時が来たら、ブランドン様の元に臣従しよう。
大陸にブランドン様の王国を作ろう」と
やがて、イーストゴート領がイーストゴート国となる日は近いだろう。
「まあそれは、今眼の前に降りかかりつつあり火の粉を払えたらだな」
俺はため息を付いた。
白金竜イグソード。
またの名を、竜王イグソード。
プラチナのように輝く金属質の鱗を持った、この巨大な金属竜は、多くの国から「災害」として認識されている。
嵐を止める方法がないように、竜王を止める方法もまた無い……そういう意味だ。
竜王という名は、イグソードが竜を従える竜であるという意味ではない。
イグソードはただその一体だけで、大国を滅ぼすのだ。
王を倒すのは、やはり王。ゆえに竜王。
竜王が暴れるのは100年に一度とされている。
前回、竜王が姿を見せたのが120年前。
そろそろ現れてもおかしくない時期では合った。
「現在竜王は北のノースゴート領を襲っているようです、
ノースゴート公の軍は抵抗を試みたそうですが、主力は壊滅
残った兵を集めてノースゴート公は撤退しました
嵐が過ぎ去るのを待つようです」
このままいけば、次はイーストゴート領だ。
「閣下! 最近は戦がなくて兵たちも腕が鈍っております!
ここは竜王を相手に一戦交えてみるべきかと!」
「馬鹿なことを言うな! 閣下! 早まってはなりません!
これまで数多くの王が竜王に戦いを挑みましたが、
その侵攻を止められたものはいないのです!」
「戦う前から逃げるというのか! 敗北主義者め!」
「嵐を相手に、そのなまくらな鉄の棒が何の役に立つ!」
「言わせておけば!」
会議は紛糾した。
建設的な意見は何もない。
無策に戦うか、無策に逃げるか。
襲い来る嵐の前に、右往左往しているだけだ。
ドン!
あたりが静まり返った。
キララがテーブルが叩いたのだ。
「シュウ」
キララがゆっくりと言った。
「朕が、しばらく国を空けても、イーストゴートは傾かぬか?」
「はい閣下。しばらくは混乱はあるでしょうが、
私はそのために法を整備してまいりました」
俺がそう答えると、キララは満足したように頷いた。
「然らば、朕が竜王をお諫めしよう。」
会議に参加していた貴族たちは絶句した。
「朕がいない間、この国を貴様らに預ける。
見事、大国を築いてみせよ。
勝てぬ戦はするな、さりとて下手な負け方もするな。
以上だ、これにて会議を終える」
そう言ってキララは立ち上がった。
俺もキララと共に立ち上がる。
「か、閣下! ぜひとも我らをお供に!」
「ならぬ、貴様らに国を預けると言ったであろうが。」
発言した将軍は、キララに睨まれて震えながら座る。
「この国、民草、そして貴様らは朕の宝ぞ。
大蜥蜴なんぞにくれてやるには惜しい。
よく励め、ハーバー卿。
オンドーア平原での貴様の采配、朕にも劣らぬものであったぞ」
将軍は今も震えている。
だが、時折漏らす嗚咽は、きっと恐怖によるものではないだろう。
キララと俺は、2人だけで城を出た。
慟哭するように、出陣のラッパが悲しく鳴り響いている。
誰もが光皇子の無事を祈り、神に奇跡を願っていた。
そして……
光皇子は帰らなかった。
しかし竜王は進路を変え、元いた秘境に帰っていった。
一体どのような戦いが行われ、光皇子がどうなったのかは知られていない。
光皇子は護国の神として、毎年欠かさず祀られることとなった。
キララ 転生者レベル126 魔女レベル5200 騎士レベル3950 貴族レベル6846 妾レベル2054 英雄レベル8510 竜レベル999000
・自殺者の剃刀
・無限転生
・世界最強の魔女が持つすべての能力
・世界最高の騎士団の持つすべての能力
・世界を支配した帝国王族たちが持つすべての能力
・皇帝を虜にした愛妾が持つすべての能力
・いずれ歴史に名を残すはずだった英雄の持つすべての能力
・災害と言われた竜王の持つすべての能力