ハプニング
スミマセン投稿遅れました。
学生の事情というやつですハイ。
ではお楽しみください
戦闘開始直後。俺は地を駆けた。ここでは、能力者であろうとなかろうと、能力や魔法は禁止されているから俺の力でもねじ伏せることが可能だと踏んだそして目の前の対戦者に向かってアックスを振りかぶる…が、
柄を持っているはずの腕が…宙を掴んでいた。
「なっ…!!!」
「ふふふっ」
驚いている俺を前に、少年が笑いながら……素手で俺の腹を貫いた。にも関わらず、よっしゃあああああというものもいれば、ただただ発狂するだけのものもいる。
「しっかりしてください!!!」
潤河の声がエコーして聞こえる。そういや人間って死ぬと思い込んだら目の前がスローモーションの世界になるらしい。
その世界、異世界の異世界で少年が遠ざかる。だが、少年の声が直接頭の中に響いていた。
「君、強いね。もう少しで勝てないところだった。また、起きたとき……。
能力が覚醒したとき…また戦おう…。
まあそのときは勝負が見えていると思うよ」
スローモーションで遠ざかっている少年の後ろ姿は確実に笑っていた…だろう。
目の前が……白い……。
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…逃げ惑う人々。その中の何十人もの人が俺にぶつかってくる。
つまり、俺は人々とは全く逆の方へと歩いていた。
『お兄さんどこ行くの~そっちじゃないでしょ~』
「お前…こっちのほうがいいという顔をしてるぞ。」
ニヤニヤと宙で笑っている少女。やはりそうだったか。こっちの方が彼女としては面白いのだろう。
ちっ…早くしなければこの船をあいつが思い通りにしちまう…
「おい。」
『ん?』
「船長室でいいんだな?」
『どうかなー??』
うむ。船長室ね。
そう思いながら俺は駆け出す。…タッタッタッタ……
「こっちだった!!!」
…さて、こんなことであいつを倒すことができるのだろうか。
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「……さ…………さい……しっ…い」
ん……。遠くから…声……。
「しっかりしてください!!」
「はっ!!うっっぅぅぅ!!!」
乾いたピチィィンという音と俺の声がぴったし重なった…頬が痛い…。
「あ…すいません」
…まぁいいか。
「で…えっとここは…治療室だよな…普通に考えて。」
「はい…っていうか治るの早すぎですよ、普通に考えて。」
「は?長い夢を見ていた気もするんだが…」
「運ばれて今、3分経過しました。」
時計を見ながら、潤河が言う。
へぇ…三分も寝てたのか…三分…さ、
「早!!!」
「それはこっちセリフですよ!」
そういう潤河の目には水が溜まっていた。
「…悪かったな。」
潤河の頭に手を置く。
「な!」
叫んだ潤河は、俺の腕を握りそのまま肩に回し…
「せぇぇい!!!」
ビシャァァンと音がし、床に落ちる。痛…くない。
「ちょ!俺病院!ってか痛くないけど…ん?!」
腰をさすったら…手が水で濡れていた。
「え?」
「あ」
……
「お前……こんなに泣いたのか?!」
「違います!!!」
だよな…漫画じゃあるまいし。
「じゃあ何なんだよ」
「いや…さっぱり」
潤河が言ったまさにその時、
「「火事だー!!!!!」」
ハァッッ?!今怪我したのにハプニングかよおおおお
「いま窓開けます!」
潤河が窓を開けるとゴォォォォっとした後、すぐ近く…たしかフレア達が行ったレストラン近辺が燃えていた。
「わかっていると思いますが…」
「わかってるよ。安静にだろ。」
「は?何馬鹿げたこと言ってんですか?行きますよ?」
「は?だって俺怪我…」
そうだけが怪我してんだよ…ってあれ?
「治って…」
「気付いてなかったんですか?ちなみにこれは運んでいる途中に治りました」
「早いな…」
てか早すぎんだろ。まさかあの少年は手を抜いていたのか?
「そんなことはどうでもいいから行きますよ!」
「お…おお」