どら焼き談義とあんこにまつわる世界の秘密
二枚の生地が重なった どら焼きの皮をはがすように
世界の中身を覗こうとすれば
はしたないよと よこのだれかが声をかけた
いいじゃない、私のどら焼きなんだから
あんこがどっちかにかたよったって 一枚ずつ食べたって
いいじゃない と口には出してみたものの
そういうものでもないらしい
あまいあまいあんこは二枚の生地にはさまって
包まれ ともに食べるからこそ
意味があるらしい 価値があるらしい
と、そう諭された
わたしはふにおちるような おちないような
なるほどなるほどそういうものかと 首をかしげて
分からずじまいに 彼のことばの意味を食んだ
どういうことかと 少しずつ咀嚼しながら
二枚重ねてどらやきを食べているうちに
あんこの秘密をかたる彼に すこうし興味がわいてきて
なるほど、そういうものかと
首をもたげてくちびるを舐めた
どら焼きを食べたあと、詩をつくったらこうなった。
小さい頃どら焼きをはがして一枚ずつ食べていたわたしは、家族が丸ごとどら焼きをかじっているのを見たときの衝撃を忘れない