表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

代行サービス


「では次の者。この水晶に手を翳してみるのだ」

「はい」


 神父に言われるがままに俺――オネストは歩き出した。

 興奮と期待で今にも叫び出しそうなのをグッと我慢して。

 ついに、ついにこの時がやってきた。


 この世界では15歳になると教会に行き、水晶に手を翳すことで『スキル』と言われるものを授かることができる。

 しかしそれは全員が獲得できるわけではなく、選ばれた人間のみ。


 誰が選ばれるのか、どんなスキルがもらえるのか。

 それは誰にも分らない。

 女神様の気まぐれなんて言われるくらいだ。


 俺はこれでスキルを手に入れて冒険者になる!

 小さい時からの夢だった。

 街の外へ出て、見知らぬ土地へ行き魔物を倒したりして生計を立てる。

 そんな冒険者が憧れの職業だった。


 だからまずはここで……強いスキルを貰わないと!


「ふう……」


 深呼吸をして気持ちを整えてから水晶へと手を翳す。

 すると水晶が眩く光り出した。


「おお……! これは! スキル持ちが現れたか!」


 神父も興奮気味に叫び出し、持っている紙を凝視する。

 授けられたスキルの名前が神父が持つ紙に刻まれるからだ。


 やがて水晶から光が無くなり、俺は興奮気味に神父に問いかける。


「それで俺のスキルはなんなんですか!」


 剣術が上がる系のスキルか、それと魔法を扱うことができるスキルか、冒険に役立つ系のスキルか、それとも未知のスキルなのか。

 どんな強いスキルを貰えたのか興奮が醒めなかった。

 

 しかし神父は神妙な面持ちで紙を見つめる。


「……どうしたんですか?」


 尋ねてみると、神父は首を傾げながら口を開く。


「……オネストよ。お主に与えられたスキルは――“代行サービス”だ」

「……はい?」


 代行サービスってなんだ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ