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Hey dude あなたはわたし、それともあなた?




 目を覚ますと、彼がいたの。


「なんで、何も言わないんだ」


「私は……私は、ただ」



 聞こえてないの?聞こえてるの?


 もう、それすらもわかんないなんて。


 どうしてなの。あなた。


 好きって言われたら、嬉しいの?


 あなたは、そんな単純じゃないでしょ?


 愛してるも、アイ・ミス・ユーも、アイ・ラブ・ユーも、あなたの心に響かない。


 こんな時、あなただったら、なんて言うのかしら。


 あなたに会ってみたいわ。


 今は、英語を勉強しているのね。


 ふんふん、なんですって?



「Every moment with you feel like magic.」


 君といる時間は、全部魔法みたいだ



 はい?誰を口説くつもりよ。ハリー・ポッターでも見てるのかしら。


 彼、ホグワーツ出身じゃないと思うんだけれど……


 懐かしいわね。

 

 ユニバーサルに行きたいって言ったら、忙しいからって断られたわ。


 きっと、他の女の子とは、行くんでしょう?


 でも、ずるいところも好き。


 私って、強情かしら。


 どちらかというと、追っかけられたいって思うんだけれど、彼だけは、追っかけてしまうわ。


 

「ねえ、あなた。万博行かないの?」


「ごめん、仕事なんだ」



 本当に仕事なの?って言いたかったけれど、彼が仕事に集中できないとそれはそれで悪いわよね。


 今は、仕事頑張って。あなた。


 私が、彼を名前ではなく、あなたって呼ぶのは……ちょっとまって、なんでなのかしら?


 彼にも、訊かれたことがあったわ。



「君は、僕の妻じゃないだろう? なぜ、僕をあなたと呼ぶんだい?」


「え……なんでかしら?」


 あごに手を添えて、考えてみたけれど、私の癖なのかしら。


 思いつかなかったの。


 だから、すぐに返答できなくて。


 よくよく考えてみれば、私は彼の妻ではないの。


 恋人でもない。


 友達?


 なのかしら?


 私と、あなたは親しいだけの友達なのね。


 それ以上でもなく、それ以下でもない。


 それが、一番都合がいいのかもね。


「最近、浮かない顔してるわね」


「ちょっと悩んでた」


「何に悩んでるのよ」


「ちょっとしたことさ。話すほどのことでもない」


「言って」


「いや、いいんだ」


「いいから、言って」

 

「俺は、誰なんだ? 自分が誰かわからない。朝、歯磨きをして、これは自分のなのか? と、考えてしまう。おかしいだろ? 俺は、俺の人生を生きているのに。心にぽっかりと穴が空いたまま。なあ、本当にイヨミなのか? 疑わしくなるんだ。その人は、本当にその人なのか。わからなくなる。俺は……誰なんだ?」



 寒いのに、夜風をあたりに行って、帰ってこないの。


 いつものことよね。


 彼きっと帰ってくるわよね。


 私は、目を閉じた。




全然帰ってこないあなたの帰りを待つ

イヨミより

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