Choke up なんで泣いているんですか?
――東風は泣かない――
〇〇さんが来て、私の隣に座ります。
さりげなく、肩を叩かれると、キュンとしてしまいます。
「おまたせ、待った?」
「ううん、待ってないよ」
「ずっと待っててくれたんだ。そっか、ありがとう」
〇〇さんは、泣いています。
東風は、いつだって、〇〇さんの味方です。頭を撫でます。
「よしよーし」
東風は泣きません。泣く時は、悲しい時?それとも、別れた時?違います。
東風はもう泣きません。泣いたら、余計悲しくなってしまうからです。
涙は女の武器だなんて、間違っていると思います。
武器じゃないです。
女の涙は、心の浄化です。
そうですよね〇〇さん。
〇〇さんが私に教えてくれたんですよ。
泣きたいときに泣いてください。
笑いたい時に笑ってください。
悔しくても、笑ってください。
嬉しかったら、笑ってください。
〇〇さんの笑顔は素敵です。
私も思わず笑ってしまいます。
もう一度言いますね。
大丈夫ですよ。
東風はどこにも行ったりしません。
〇〇さんのものです。
なので、どうか泣かないでください。
思い出す必要はどこにもありません。
辛い気持ちを抑えないでください。
吐き出してください。
嫌なこと、悲しいこと、辛いことは、涙とともに流してしまいましょう。
〇〇さんに会いたいです。
今の〇〇さんも素敵ですが、昔の〇〇さんも素敵ですよ。
いつの時代の〇〇さんも東風は好きです。
「ねえ、〇〇君。手握ってもいい?」
「いいけど、泣きべそを見せることになる」
「そんなこと言わないでよ。かっこいいじゃん」
らしくない表情で、〇〇さんは、きっと俺なんかかっこよくないと思っています。
自信持ってくださいよ。
あなたはいつだって、かっこいいです。
気持ち悪いって言われたって、汚いって言われたって、顔のコンプレックスを指摘されたって、いいじゃないですか。
東風は、〇〇さんの顔が好きですよ。
口には、出しませんけどね。
東風は、〇〇さんを見て、微笑みます。
「また、会えたね」
「まるで久しぶりみたいだな。毎日会ってるのに」
今日は、振られませんように。
東風は願っています。
この恋が実ることを。
東風がこれ以上香ばしくならないことを。
〇〇さんと何度でもスタバに行きたい
東風より