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ヤンデレ幼馴染をわからせる話

作者: 青魚

処女作です。

父は出張で母も1週間家に帰れなくなってしまったので、絶賛片想い中の幼馴染が1週間泊まりに来るらしい。母親の工作だろう。俺の大事にしていたお小遣いを全部いつの間にか無くなっていた恨みはこれでチャラにしてやろう。

「母さん俺の小遣いは?」

と聞いた時、プリンではぐらかされたことを俺は忘れない。


ビックイベントに俺こと柊 満はニヤけるのを押さえるのがやっとだった。否、終始ニヤけていたであろう。


俺は幼馴染の結衣のことが好きだ。大好きだ。だって仕方ないのだ。学校1の美少女と持て囃される清楚な女の子に昔から優しくされて惚れない男は居ない。俺はもう10年くらい片思いをしている。


そして幼馴染がやって来るのを首を長くしながらもう1時間半玄関で待っている。


ピンポーン


やっとインターホンが鳴った。


コンマでふたつの鍵を開けて扉を開いた。

そこには何度も見慣れているはずなのだが、驚きを隠せないほどの美少女が立っていた。


「随分早かったですね。そんなに私が来ることを満は待っていたのですか?」


恥ずかしくて死ぬよし、死のう。と思ったが1週間は死ねない!と思うほどにパニックになっていたのだろう。


「え?あ、うん。」


言ってから気づいた。まるで告白したようなものでは無いか。それに相手も気づいたみたいで雰囲気は最悪である。


「そ、そうですか。」


「と、とりあえず中に入りなよ、荷物運ぶの手伝うよ。母親部屋とか分からないでしょ?」


俺は捲し立てるようにして話題を切り替える。危なかった。このチャンスを無駄にするとこだった。


荷物を運び終えたあと、少しでもイメージを挽回するための作戦を実行する。


「外暑かったでしょ、荷物も重そうだし、風呂入れてあるから入りなよ。クーラー効かせて待ってるから。」


「本当ですか?ありがとうございます。」


できるだけ柔らかい微笑みを浮かべながら言う。やっぱり結衣の笑った姿はハチャメチャに可愛い。

そうこれは、できる男ですよアピール。そして全然別にお風呂とか気にしてないけど?異性として意識してないけど?ということをこれでもかと相手に伝わらせつつ、優しさをアピールそして自分の結衣のお風呂を堪能出来る、まさに一石三鳥の完璧の作戦である。ちなみに昨日(今日)のAM3時、緊張して眠れなかった時に思いついた。


それはさておき、結衣は今お風呂である。もう一度言おう結衣はお風(省)

つまり裸である、もういち(省)


俺も男だ。興味はある。というか興味しかない。やばい鼻血出てきた…。

脱衣所に行くようなことはしない。行きたいが関係を失ってしまう方が怖いからだ。じゃあ何をするかと言うと…

テレビのリモコンを構え、あたかもずっとテレビ見てましたという状況を作れるようにして目を瞑り耳に全ての神経を集中させる。


「聞こえる…聞こえるぞぉぉ」

エアコンの音よりも時計の針の音よりも小さくしかし確かに水の音が聞こえてくる。



翌日、何となく重みと肩がいたくて目が覚めた。


「お、おい何やってんだよ。」


「えへへ、みーくんの匂…むにゃむにゃ」


そこには幼馴染が俺に抱きついて寝ていた。


息子とか下半身とかナニとか心臓が爆発しそうだ。それもそうだろう、好きな女の子が自分のベットにいる挙句ちょうど顔がムキムキな息子に触れながら寝ているのだ。


急いで結衣に息子を気づかれない迅速かつ的確に起こそうとするとふと腕が動かないことに気がついた。


「お、おい。これどういうことだよ。とりあえず起きろ、起きて説明しろ。」


「んんん?みーくん起きたの?」


「そうじゃなくて、いや起きたのは事実だけどこの手錠を説明してくれ」


「ん?手錠だよ?」


「そんなことわかってるんだよなんで俺が手錠にかかってるのか教えてくれ。」


「だって、私がみーくんのことが好きだから。昨日あんなこと言われたら我慢できないよ。私もこういうことはするべきではないことを知ってるけど抑えられなかった。でも両想いだからいいでしょ?」


「かわい…じゃねぇぇーってえ?結衣が俺の事好き?え?」


「そうだよー?最近なかなか話せなくて寂しかったんだよ?それなのにみーくんったら遊びに誘っても断ってばかりだったし。」


「それはっその…」


恥ずかしくて避けてたよ!?悪い?10年も片想いしてんだヘタレ極めてんだぞ舐めんな(逆ギレ)

と心の中でキレつつも結局恥ずかしく何も言えない俺。死にたい。


「だから…既成事実を作ろうと思たの。こんなことはちょっと悪いことだって言うのはわかってるよ?でもみーくんが悪いんだよ。みーくん他の女に鼻の下伸ばすし、私から誘っても断っちゃうし。みーくんが私のこと好きなのは知ってるよ?でも私我慢できないよ。みーくん恥ずかしがり屋だからこうやって無理やりでも1歩踏み出さないと、いつまでたっても恋人にはなれないでしょ?結婚するのは決まってるとはいえ、私はもっとみーくんと恋人の時間が欲しいな。もちろん今の関係が嫌ってわけじゃないよ?みーくん可愛いし、でもみーくんの隅々まで知りたいの。私だってこれでも我慢したんだよ?でもみーくん部屋に私を久しぶりに入れて無防備な体見せつけて、しかも私を来るの楽しみにしてたって自分から言ってくれて。久しぶりにみーくんに褒められちゃって私嬉しかったよ?だからさ…抵抗するのやめよ?」


捲し立てるように言われた俺は、ほとんど聞き取れなかったが結衣か俺の事が本気で好きだと思ってることはわかった。それだけで天にも登る気持ちだ。もう手錠なんてどうでもいいや。そう、手錠とか拘束とかどうでも…


「よくねぇえええ」


「ど、どうしたの急に叫んで」


叫ばずに居られない。このまま童貞を卒業したら一生後悔する。その前に言うことがあるんだ。ずっと前から言おうと思っても言えなかった、何度も練習した言葉。


「お、俺も結衣のことが、好きだ。大好きだ。」


結衣が面を食らった顔をしている。それでも今の俺は止まらない。


「昔から結衣のことが好きだ。10年前から好きだ。最近避けてるのはどんどん結衣が可愛くなってって、でも俺は普通のままで、結衣は俺よりも魅力のある人と、俺よりも結衣を幸せにできる人と付き合うだろうから、そろそろ距離を置かないとって思って、でも俺結衣と遊べないのがすごい寂しくて。あぁもう、訳分からん。とにかく俺と付き合ってくれ。」


すごくかっこ悪いのは自覚している。相手から好意を向けられて断られないことを知ってから告白している。ずるいものだ。だが、結衣と付き合えるならずるくてもいい。なんだっていい。


「告白の答えを聞かせてくれないか?」


不意に目隠しをされた。何も見えなくなる。だが結衣の柔らかい体は俺の上に乗っていてとても安心する。


「なにをっ」


最後まで言えなかった。なぜならなにかに口を塞がれたからだ。この世のものとは思えないほど甘く、柔らかいもので。


「「ぷはぁ」」


「これが私の答え。これから恋人だね、みーくん。」


「おう」


そういうとまた口付けを交わす。何度も何度も交わす。何分たったか分からない。10分だったのか1時間だったのかそれとも1分だったのか、口付けをされるたびに俺の理性は削られとっくに無くなっていた。

もっと先のことをしたい。我慢の限界だ。キスだけだとだんだん物足りなくなって来ている。


「結衣、顔を見ながら抱きしめたいから手錠をといて貰ってもいいか?」


「もちろんいいよ、ちょっと待ってね。」


俺は手錠の鍵を解除された瞬間、結衣と俺の位置を素早く逆転させ、結衣に外してもらった手錠と目隠しをつける。


「ちょっと、抱きしめてくれないの?」


そんなことを答える理性はとっくに擦り切れているが、結衣を大切にしたいという願いから最後の理性を振り絞って俺は言う。


「俺はもう我慢できない。結衣とこの先のことがしたい。だけど、結衣がもし嫌ならば今すぐ辞める。でも結衣がいいって言うなら俺は、俺を抑えられる自信が無い。」


「みーくん好きなように動いていいよ。」


何かが壊れる音を立てて崩れた気がした。


――――――――――


「ほんっとうに申し訳ございませんでした。」


俺は土下座していた。ジャンプしながら本気で頭を打ち付けるいわゆるジャンピング土下座をしていた。


「みーくん謝らなくてもいいよ?みーくんからされなかったら私からやってたし、それに…すごく、気持ちよかったから」


顔を赤らめ目を逸らしモジモジとしながら言う俺の彼女は世界で1番可愛いだろう。


「あの、それでね、もし良かったらなんだけど、その、すごく気持ちよかったからね、また今日みたいにやって欲しいの。」


どうやら俺は結衣の新しい扉を開いてしまったらしい。

彼女いない歴=年齢の俺は今日、ちょっぴりえっちでMっ気のあるヤンデレで清楚で世界一可愛い幼馴染の彼女が出来ました。

読んでくれてありがとうございます。

全て作者の妄想と理想と深夜テンションでできてます。

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[一言] 面白かったです!
[一言] どストレートええやん。
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