Episode:2
いや、略せてもねぇし、急な日本名なんなん?
「えっと…そんでサチコ…その王に会うにはどうしたらいいんだ?」
「はい! ついてきてください!! 二足歩行でお願いします!」
「いや、4足歩行しないからね?! おまえおっさんだからってバカにすんなよ!?」
そんなことを言いながら祭壇のような場所からおり、サチコの後をついて歩く。祭壇の部屋を出ると、優しい風が頬を撫でた。
「へぇ…」
そこから見える景色は、まさに絶景であり、どうやらこの場所は高いところにあるらしく、下には街が見渡せる。空を見る限り、時刻は黄昏時くらいか…?
「こっちです、勇者様!」
「おん」
「ところで勇者様のお名前はなんて言うんですか?」
「俺? 俺はヤスナリだ」
「ヤスナリ…」
「おぅ」
「略して…?」
「いやおまえみたいに、長いわけじゃないから別に略さねぇよ」
「素でヤスナリ?」
「いや素て…まぁ、そうだけど」
「へぇ…いい名前ですね!」
「おまえとってつけたように…どのへんがだよ」
「……わかりません」
「素直か」
そんなやり取りをしながら歩くこと数分。まぁ今更だが分かったことがある。ここはお城のようだ。そして…
「つきました」
「……ここ?」
「はい」
たどり着いたそこは、お城の中には似合わない…小さな池のような所で、中央には赤い鳥居が立っている。
「なぁ、これどうやって入るの?」
「少々お待ち下さい」
そう言うとサチコは両手を池に向け、何かを呟いた。すると、モワンッと言う音ともにキラキラ光る謎の入り口が、目の前に現れる。
「え、すげぇ! サチコおまえまじですげぇな、正直半信半疑だったが、これはすげぇよ」
「え…? え? そうですかぁ〜///♪ いやぁーえへへ、まぁ、それほどでもありますけどぉ〜?」
サチコ、こいつは良くも悪くも正直者なんだというのも分かった。
「ささっ、中へ!」
「おぅ」
そして、そのキラキラの中に入ると、そこはちゃんとお城の中のようになっており、THE 謁見の間と言うような作りであった。その謁見の間の奥には…
「よく来たなー、勇者よ」
王冠を頭にのっけ、赤いマントをつけた"くまモン"みたいな奴が、どえらい巨乳の美人の横に立ち、偉そうに腰に手を当て立っていた。
Episode:2
【クラウン•くまもん】