Episode:0(おー)
俺の名前は一条 陣!
よくいる普通の男子高校生だ。最近の趣味は動画撮影。と言っても、俺の場合はゲーム画面録画して、音楽つけてから、良さげに見せるだけのものなんだけど…。
そんな俺は今、ちょっとだけ浮かれている!
それもそのはず、なんと、その動画視聴者の女の子と待ち合わせをしているのだ!
「くぅ~…! 生まれてきてはや17年…とうとう俺にも話しのできる女子がっ!!」
待ち合わせ場所であるカフェへと向け、俺は今までにないくらいの速度で走る!
「はぁ、はぁ…」
と、――――ドンッ!
「いてっ」
「あ、すみません」
「ったく気をつけろ!! クソガキが!」
やべぇ、やさぐれたおっさんにぶつかってしまった…。
てか、そんな怒るなよ…。
……………………………。
「………。」
「……………。」
「…………?」
「ん……? ここどこだ?」
「えーと…」
淡く紫色の光が地面からはなたれ、俺の目の前には推定年齢16歳位の変な杖を持った青い髪の女の子が、驚いたような表情で棒立ちしている。
「えっと…え? 君…なに?」
「…ぁ…あ…! 成功しましたッ!! やりましたッ!!私すごいッ!!」
青い髪の女の子が急に満面の笑みで叫ぶと、気づかなかったが、他にも周りにいた人達が歓声をあげる。
「わああああ!」「やった!やったぞ!さすが姫様っ!」「うぅ…これで、これで我が国も…ッ」
正直、なんのこっちゃわからん。
て言うか、あれ?マジでここ何処なんだよ。てか誰なんだコイツ等…。俺さっき…確か…
高校生くらいの男の子にぶつかって…?
「ようこそッ!! 勇者様ッ! 我が国、シュリットガルドへッッ!!」
青い髪の女の子がそう言うと、周りにいた鎧の人達がビシッと敬礼をした。
てか、いや、まじで。なんなんだよおまえら。そして何処なんだよここ…。
Episode:0
【やさぐれたおっさん、異世界へ行く。】