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沢(さわ)凪(なぎ)せ女(にょ)り~た5  作者: 椎家 友妻
第五話 一夜の復活と、新たな出発
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9 彩咲綾音、熱唱

そしてしばらくの静寂(せいじゃく)の後、

 「みんなーっ!おっ待たせーっ!」

 というはじけるような彩咲綾音の声が響き渡り、

それを聞いた会場のファン達が、噴火する火山のごとくドッと沸いた。

だがステージはまだ暗闇のままで、彩咲綾音とファンのコールアンドレスポンスが続いた。

 「あんぱんの『あ』はぁ?」

 「あやねの『あ』!」

 「やり投げの『や』はぁ?」

 「あやねの『や!』!」

 「ねり消しの『ね』はぁ?」

 「あやねの『ね』!」

 「そんな私はだれですかぁ?」

 「みん!なの!天!使!彩!咲!綾!音ーっ!」

 と会場のファンが叫んだ瞬間、

ステージがパッと明るく照らされ、

そこに桃色の蝶のようなアイドル衣装をまとった彩咲綾音が現れて、

会場は文字通り割れんばかりの歓声に包まれた。

 「うぉおおおおおっ!」

 「ぎゃぁあああっ!」

 「あやねちゃあああああんっ!」

 「また会えて嬉しいよぉおおっ!」

 方々から上がるファンの絶叫。

そんなファン達に手を振りながら、彩咲綾音は右手にマイクを持って口を開いた。

 「みんな、今日は来てくれてありがとう。

そして、これはテレビでも言った事だけど、

私、彩咲綾音は、ある事情があって、少しの間アイドル活動をお休みする事になりました。

今日はその前に、もう一度だけみんなの顔が見たくて、

突然こういう形でライブをさせていただく事になりました。

だから今日はみんな目一杯楽しんで行ってね!

私もこれでもかっていうくらい、楽しんじゃうから!」

 彩咲綾音がそう言ってウインクすると、会場のファンは雄叫びにも近い歓声を上げ、

それを受けて彩咲綾音は一曲目の『今日も元気で行きわっしょい♡』を歌い始めた。

 そして一曲目が終わると矢継(やつ)(ばや)に二曲目『離れてたってマイフレンド』を歌い、

更に三曲目の『私の好きを受け止めて!』を歌い上げ、

会場のボルテージは天井知らずに上がって行く。

 そこで彩咲綾音は一旦(いったん)間を置き、両手でマイクを握りながら言った。



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