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沢(さわ)凪(なぎ)せ女(にょ)り~た5  作者: 椎家 友妻
第五話 一夜の復活と、新たな出発
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5 会場は熱気ムンムン

 そして迎えたライブ当日の日曜日の夕方。

会場であるファミレス『ニューハーフ』には、

抽選で選ばれて招待された彩咲綾音のファンクラブの人達が詰め掛け、

店のテーブル席はほぼ満席となった。

大体が彩咲綾音と同世代くらいの人達で、男女の割合はほぼ半々といったところだ。

もう二度と見る事ができないと思っていた彩咲綾音が再び見られるとあって、

ライブ開始前から(すで)に相当な熱気に包まれている。

その中には沙穂さんや矢代先輩も居たが、由乃さんの母親の姿はなかった。

やっぱりあんな事があった後じゃあ、ここには来てくれないか。

その一方でフロアの中央にはあの玉木の姿もあり、

『綾音たんはオレの嫁!』

と書かれたハチマキを額に巻き、

『綾音ちゃん本気(マジ)天使!』

と背中に刺繍(ししゅう)をした紫色のハッピを着て、両手には彩咲綾音の写真が貼られたうちわを持っている。

あの野郎、彩咲綾音はデビュー当時の方がよかったとか言いながら、ちゃっかりここに来てるじゃねぇか。

今日の俺はライブのスタッフとしてここに居るが、

下手にあいつに見つかると後々ややこしいので、あまりフロアには顔を出さないようにしよう。

ライブ開始まではあと約二十分。

俺はスタッフルームに控える、由乃さんの様子を見に行った。

 ノックをして中に入ると、理奈の仕立てたアイドル衣装に身を包んだ由乃さんが、

 部屋の隅で丸虫のように丸くなり、ガタガタ震えていた。



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