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沢(さわ)凪(なぎ)せ女(にょ)り~た5  作者: 椎家 友妻
第五話 一夜の復活と、新たな出発
51/65

3 あっさりキレた

 「さっきから聞いていたら、随分(ずいぶん)と一方的な言い草ではありませんか?

確かにあなたは由乃さんの母親かもしれませんが、あの子の人生はあの子のものです!

それを散々踏みにじった挙句、更にそれを利用しようとするなんて、

あなたはそれでも由乃さんの母親なんですか⁉」

 ぐはぁ!

美鈴のヤツ、思いっきり火に油を注いじゃったよ!

すると(あん)(じょう)由乃さんの母親は更に逆上し、悲鳴にも近い叫び声を上げた。

 「何なのよあなたは⁉私は客よ⁉そんな失礼な物言いをされる筋合いはないわ!」

 ほらやっぱりこうなったよ。

一体どうするんだよこれ?

と、途方に暮れていると、由乃さんの母親はガバッと立ち上がり、テーブルの上に千円札を乱暴に置いた。

そしてそれ以上は何も言わず、ズカズカと店から出て行った。

なので俺も慌てて店から出て、由乃さんの母親を呼びとめる。

 「ちょ、ちょっと待ってください!ウチのウエイトレスが失礼な事を言ってすみませんでした!」

 すると由乃さんの母親はその場で立ち止まって振り返り、怖い顔で俺を睨みつけながらこう返す。

 「フン!いいわよ!そうやって私を悪者にしていればいいんだわ!

だけど由乃は返してもらいますからね!」

 「そ、その事なんですけど、実は今度の日曜日の夜、この店で由乃さんがライブをするんです!

お母様もよかったら、そのライブに来ていただけませんか?

由乃さんもお母様に、伝えたい事があるみたいですし」

 俺はそう言ったが由乃さんの母親は

「そんなもの、興味がないわ!」

と言い放ち、そのままスタスタと歩き去ってしまった。

 店に戻ると、美鈴がスタッフルームで本坂先輩にお(しか)りを受けていた。

 何とかライブ会場の手配はできたけど、これで本当に大丈夫なんだろうか?

俺の不安は、ますます募るばかりだった。



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