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黒羽と薄紅  作者: 翠嵐
【一章】薄紅の燐光
2/2

始まりの日の黒羽

大和国の首都である五華咲(ゴカショウ)の郊外に広大な土地を有する黒羽邸の朝は早い。

使用人は庭師、料理人を含め5人程であるが、それはひとえに土地に大して家がそこまでは大きくないためだ。使用人達は6時には起床し、黒羽邸の掃除、朝餉の準備、洗濯等の家事を始め、庭師達は広大な庭を綺麗に保つ為1日中庭の整備を行う。


その中でも1人、黒羽家当主専属の使用人は当主である『 黒羽 小夜 』(クロハ サヨ)を起こすために小夜の部屋に向かっていた。


使用人は一際大きな部屋の前で立ち止まり、扉の前で部屋の中に向けて声をかける


「小夜様、ご起床のお時間になります。」


少し待つと、部屋の中から扉に向けて返事か返る


「いつもありがとう白雪、服を着替えたら出ていくわ」


「かしこまりました。朝餉の支度も出来ているので食堂でお待ちしております。」


白雪と呼ばれた使用人は小夜にそう告げて、廊下を歩いて行った。


「それで、今日の予定は?」


小夜は豆腐を口に運びながら白雪に向かって質問した


「今日の予定は16時から五華庁でのご華族の方々との会談があり、19時から舞様とのご食事がございます。」


「あら、舞との食事は今日だったかしら、あの子と会うのも久しぶりね、」


小夜は少し吃驚したような顔でそう白雪に告げた


「はい。舞様のお休みと小夜様のご予定が重なる日が今日になりますので、」


「なるほどね、あの子も高等学舎の生徒会長になってからは忙しそうだもの、しょうがないわ」


「そういうことなら、少し早めに五華庁に向かって旧友に顔でも出しに行くわ」


豆腐を綺麗に食べて、小夜はそう白雪に告げた。


「かしこまりました。それでは14時には出発するように伽々里に伝えておきます。」


「助かるわ、それと伽々里に今日は静かな車がいいと伝えておいて」


「承知致しました。」


小夜は白雪にそう告げ、部屋に戻った。





14時


「それじゃ、行きますか?お嬢」


家の前にはかすみ草のエンブレムの入った黒いセダンと白髪の80代の人物が立っており、その男はちょうど家の扉から白雪を伴って出てきた小夜に向かって声を掛けた


「伽々里、お嬢はやめてっていつも言ったいるでしょう?私ももう子供ではないのだし、」


小夜は少し気恥しそうに伽々里と呼ばれた人物に返事を返す


「いやいや悲しいねぇ小さい頃はあんなに、伽々里、伽々里とずっと俺の周りでうろちょろしてたのに。今じゃこれだ」


「昔のことよ、」


「ま、いいさ、ちゃんと静かな車で五華庁に向かいますよ、霞の車だ安心してくれ」


伽々里はこの話は終わりとでも言うように話をかえる


「そうしてちょうだい、」





15時


車の中では白雪はもちろん小夜も特には言葉を交わさず、対向車とすれ違う際の音と、僅かなロードノイズのみがbgmとなっていた。

そのためか、小夜達は時間どうりよりも早く五華庁に到着した。


「伽々里ありがとう、私いつもこの車がいいわ前の車は早かったけれど、音が耳障りだったもの」


「お嬢は男の浪漫が分からんようで、残念だ。今度からは霞の車で送迎するさ。18時にはここで待ってるからなんかあったらデバイスで呼んでくれ」


伽々里はそのまま車を走らせて行った



小夜Side


全く伽々里は困ったものだけれど、長くお世話になっているから強く言えないのよね…


「それじゃあ白雪、(さかき)に会いに行きましょうか」


「かしこまりました。」


ギフテッド対策室にいると思うし、会うのが楽しみね

榊はどんな厄介事を今回抱えてるのかしら?

確か『薄紅』の捕縛に成功したらしいけれど、それの関係かしら、薄紅…か少し気になるわね





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