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(オーリー……?)




『空中庭園』の中は窓の外と同じ様に雪が降っていた。


太陽の光にキラキラと美しく反射しながら私とオーリーを包み込むように……。






オーリーは私に気がつくとエモーションで手を振った。




[耳打ち] Orli >> よかった 来てくれた^^




「……」




(オーリーがこんな事言うのって……)




[耳打ち] Reia >> もしかして、竹之内くん?




まさか、そんなはずがないと思いながら思い切って聞いた。


すると……




[耳打ち] Orli >> うん




オーリーから返って来た返事は私の予想を見事に裏切り、


だけど、密かに期待していた事だった。




[耳打ち] Orli >> ごめん 今まで黙ってて




「……」




(オーリーだったんだ……)




[耳打ち] Orli >> なんか言い出せなくて。 怒ってる?


[耳打ち] Reia >> そんな事ないよ ただ、びっくりしちゃって


私、てっきりライアさんが竹之内くんだとばっかり思ってたから;


[耳打ち] Orli >> そうなんだ;


[耳打ち] Reia >> いつから 私がレイアだって気付いてたの?


[耳打ち] Orli >> 成瀬さんの携帯拾った時




(あ、そうか……待受画面……)




確か竹之内くんが私の携帯を拾ってくれた時の待受画面は


ハロウィンの時に撮ったオーリーとのツーショットだった。


今はこの間のクリスマスの時に撮ったツーショットだけれど。




[耳打ち] Orli >> それで今日、わざわざ呼び出したのはさ


[耳打ち] Reia >> うん


[耳打ち] Orli >> 結婚の事なんだけど




「えっ!?」




[耳打ち] Orli >> 俺は本気だから




(“本気”って?)




[耳打ち] Orli >> 俺は本気でレイアと結婚したいって思ってる。


でも、俺はレイアの素性を知ってるけどレイアは俺の素性を知らなかっただろ?


[耳打ち] Reia >> うん


[耳打ち] Orli >> だから、なんかそれはフェアじゃないって言うか、


レイアにも俺の素性をバラした方がいいと思って




(それで今日、私を呼び出したんだ……)




[耳打ち] Orli >> もちろん結婚はゲームの中の話だし、レイアが乗り気じゃないなら


全然断ってくれていい。 ただ、レイアが少しでも俺と結婚してもいいと思ってくれるなら


考えてくれないかなー?って




「……」




[耳打ち] Orli >> それともう一つ、これはゲームの中の話じゃなくてリアルでの事なんだけど




「?」




[耳打ち] Orli >> 俺と付き合って欲しいんだ




「っ!?」




(これって……告白……?)




[耳打ち] Orli >> 彼女としてって事ね


[耳打ち] Reia >> うん


[耳打ち] Orli >> 本当はちゃんと会って言いたかったんだけど結婚の話だけして


新学期まで待ってるのって出来なくて。返事はゆっくりでいいから


[耳打ち] Reia >> うん


[耳打ち] Orli >> 俺の話はそれだけ




「……」




[耳打ち] Orli >> それじゃ




「え? あ……」




[耳打ち] Reia >> 待って、オーリー




私はその場でログアウトしかけているオーリーを慌てて呼び止めた。




(あー、違う)




[耳打ち] Reia >> じゃなくて、竹之内くん


[耳打ち] Orli >> どっちでもいいよ^^


[耳打ち] Reia >> うん ごめん




(私も言わなきゃ……ちゃんと自分の気持ちを)




[耳打ち] Reia >> 結婚の話なんだけど


[耳打ち] Orli >> うん


[耳打ち] Reia >> 後、竹之内くんと付き合うって話も


[耳打ち] Orli >> うん




でも……




いざ、言葉にしようと思ったらなんて伝えればいいかわからない。






[耳打ち] Orli >> もしかして、どっちも嫌?




どんな言葉で言えばちゃんと伝わるのか迷っていると、


しばらく待っていてもなかなか何も返してこない私に


竹之内くんは痺れを切らしたようだ。




[耳打ち] Reia >> ううん その逆




私は慌てて否定した。




[耳打ち] Orli >> ?


[耳打ち] Reia >> 逆って言うか、うまく言えないんだけど




「あーん、もうっ、なんて言ったらいいのかわかんないよーっ」


言葉に出来なくてそれがもどかしくて堪らない。




[耳打ち] Orli >> 逆って事はどっちもOKって受け取っていいのかな?


[耳打ち] Reia >> うん




オーリーの言葉に素直に返事をした。




[耳打ち] Orli >> ホントに?


[耳打ち] Reia >> うん




だって……




それが私の本当の気持ちだから――。




[耳打ち] Orli >> よかった。どっちも嫌だって言われたらどうしようかと^^;


[耳打ち] Reia >> そんな事言わないよ;


[耳打ち] Orli >> ありがとう じゃあ、これからよろしくね。^^ と言うよりこれからもかな?


[耳打ち] Reia >> こちらこそよろしくお願いしますm(_ _)m


[耳打ち] Orli >> ところで、メリークリスマス^^




そうだ……




今夜はクリスマスイブだった。




[耳打ち] Reia >> メリークリスマス(´∀`)


[耳打ち] Orli >> レイア、クリスマスプレゼントあげる^^




オーリーはそう言うと私にトレードを申し込んできた。




「?」




そして、私がトレードに応じるとクリスマスケーキをくれた。




[耳打ち] Reia >> ありがとう(´∀`)


[耳打ち] Orli >> 一緒に食べよう^^


[耳打ち] Reia >> うん(´∀`)


[耳打ち] Orli >> せーの




私とオーリーは一緒にクリスマスケーキを食べた。




[耳打ち] Reia >> おいしい(´∀`)




……なんて、ホントはゲームの中だから味なんてしない。




でも、オーリーと一緒に食べたクリスマスケーキはとても甘かった――。

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