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「お?」


放課後、帰宅しようと昇降口に行くと、うちのクラスの下駄箱の前に


真っ白な携帯が落ちていた。




拾い上げてみるとピンクの小さなうさぎのストラップが付いていた。


いかにも女の子の携帯だ。




……♪〜♪♪♯〜♪♭〜♪――、




「わっ!?」


しばし眺めていると突然携帯が鳴り始めた。


ちょっとびっくり。




(俺が出たらマズいよなぁー?)






そのまま出ずにいるとしばらくして留守電に切り替わったのか


携帯が鳴り止んだ。




うーん……これは、職員室に届けたほうがいいんだろうか?


それとも、モバイルショップ?




いや、学校の中で拾ったんだからやっぱり職員室?




……♪〜♪♪♯〜♪♭〜♪――……、




どっちに持って行こうか悩んでいると、また携帯が鳴った。




(もしかして落とし主が鳴らしているのかな?)




勝手に電話に出るのもどうかと思ったけれど、


もしも落とし主だったらきっと困っていると思い、


俺は通話ボタンを押した。


「……もしもし?」




『……あのー、その携帯……』


相手は女の子だった。




「あ、えっと……もしかして、この携帯落とした人?」




『はい……て、正確には私じゃなくて友達なんですけど……』




「ならよかった。今、携帯拾ってショップに届けようか、


 職員室に届けようか悩んでたところだったんだ」




『そうですか、拾ってくれてありがとうございます。


 今、どこにいますか?』




「昇降口」




『じゃあ、正門で待っててくれませんか?』




「うん、いいけど、もう学校から離れた所まで帰ってるなら


 駅前かどこかで待ち合わせでもいいよ? そっちは今どこ?」




『駅前のファーストフードです』




「じゃ、俺がそこに行くよ。どこに座ってるか教えてくれる?」




『はい、えーと、2階の窓際の席にいます。


 女の子三人でいますので』




「OK、じゃあすぐ行くから」


終了ボタンを押して携帯を閉じようとした瞬間、


「んっ!?」


俺は携帯の待受画面を見て驚いた。




(この画像……)




それは俺がやっているあのオンラインゲームの


スクリーンショットを待受用に加工した画像だった。




そして、そのスクリーンショットは


ハロウィンのイベントの時にレイアと二人で撮った


あのツーショットだった。


それぞれのキャラクターの上に“Orli”、“Reia”と


キャラ名と俺とレイアが入っているギルド名が


表示されているから間違いない。


このスクリーンショットを持っているのは


俺とレイアしかいないはず。




……て事は、この携帯の持ち主はレイア?




しかも、この携帯がここに落ちていたという事は、


レイアってこの学校に通ってる子だったのか?




だとしたら……




俺は緊張しながら足早に駅に向かった――。

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