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「おっはよ♪」




「お? 慧、早いじゃん。てか、今までがおかしかったのか」




「そそ、今日からまた正常に戻った」


大山の言うとおり、俺はレイアとマースさんが


二人きりでチャットルームに行ってから


早くレベルを上げたくてずっとゲームばかりやっていた。


平日は学校から帰った後、速攻で夕飯と風呂を済ませ、


夜中までレベリングパーティをしていた。


だから朝もこの一ヶ月間は遅刻ギリギリだった。


授業だって午前中はほとんど寝ていたし、


休日も朝から晩までゲームばかり。


しかし、その甲斐あって一昨日ようやくレベルも70になった。






でも、レイアはその間ずっとゲームに入って来ていなかった。




何かあったのかな?




気になった俺はハロウィンイベントが始まった日に


レイアにメッセージを送った。




このメッセージ、ハロウィンイベントが終わるまでに


読んでくれるだろうか?




レイアとハロウィンのイベントクエストを一緒にやりたい。




それと……




『虹のピアス』を渡したい。




レベル上げと平行して少しずつだけど俺は彫金のスキルも再び上げ始めた。


それでやっと『虹のピアス』が完成した。






俺はゲームにログインして『空中庭園』に向い、


そこから見える景色を眺めながらレイアを待っていた。


約一ヶ月前は一人じゃ来られなかったあの場所だ。


時間が経つのがやけに遅く感じる。




レイア、一緒にイベントクエストをやってくれるかなぁ?


もうマースさんと約束してるかな?




『虹のピアス』も受け取ってくれるかな……?






[Guild] Reia >> こんばんはー(´∀`)




そして午後8時過ぎ、レイアがいつもログインしてくる時間に来た――。






「なんかいい事あったのか?」


昨夜の事を思い出しているといつの間にか大山が俺の顔を覗き込んでいた。




「レイアちゃんだろ〜?」


大山はそうなんだろ? と、言った顔をした。




「うん」




「わかりやすっ。んで? 何があったんだ?」




「昨日、ハロウィンのイベントクエスト一緒にやってさ、


 その報酬でペアリング貰ったんだ」




「お、やったじゃん」




「うん、俺もマースさんともう約束してるかなー? とか


 思ってたんだけど、一緒にイベントクエやろうって言ったら、


 即OKしてくれたから何も約束とかしてなかったっぽい」




「それでそれで?」




「後、『虹のピアス』も渡した」




「おぉーっ。で? で? 彼女の反応はどうだったんだ?」




「すっげぇ喜んでくれた♪」




「やっぱ、俺が言ったとおりだろ?


 お前が彼女の事を想って作ったものなら


 喜んでくれるはずだって」




「うん、お前のおかげだよ、サンキュー」




「てか、お前やっぱその子の事が好きなんじゃねぇ?」




「でも、相手はゲームの中のキャラだぞ?」




「そうだけど、そのキャラの中身は高1の女の子なんだろ?」




「うん」




「確かに知り合ったきっかけはゲームだけど、


 俺はそういう恋愛も有りだと思うな」




「うーん……」


自分でもレイアの事は好きなんだと思う。


でも、実は今、気になっている女の子がもう一人いる。


その子の事はまだ大山には言っていない。


大山も知っている子だから。




同じ学校の同じ学年……クラスも同じ。


最近、ようやく少しずつだけど話すようになった女の子。


少し離れた前の席にいる成瀬さんだ。




レイアも好き。




それでいて成瀬さんの事も気になっている。




……俺は浮気性なんだろうか――?

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