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-11-

――その日の夜。




成瀬さんを見ていて、レイアの事を思い出してから


ずっとレイアと話がしたかった。




それにラストダンスの相手が“アレ”だったし。






レイアに会いたくてゲームにログインすると、ポストにお金が届いていた。


しかも結構な金額だ。




「なんだ? このお金」


画面の前で首を傾げながら送り主と詳細を確認すると


『七色の水晶』の落札金額だった。




「あっちゃー……、売れちゃったのかぁー」


今朝、大山に「お前がその子の事を想って作ったものなら、


普通は喜んでくれると思うぞ?」と、言われて


もう一度作る気になって、帰ったらオークションの


出品を取り消そうと思っていたのに……。




(まぁ、しょうがないか……)




売れてしまったものは仕方がない。


まだ、レイアもログインしていないし、


ゴブリンを叩きながら待つことにするか。




俺は諦めてもう一度ゴブリンのドロップを狙う事にした。










そして、ゴブリンを叩くこと二時間――。




もう随分ゴブリンを倒しているのに


『七色の水晶』をちっともドロップしない。


むしろ、こっちが滅入って倒れそうだ。




しかも、レイアもまだ来ない。




時計をみるともう午後11時だった。


レイアはいつも俺と同じくらいの時間、11時半にゲームを終わる。


休みの前の日は夜中までやっている事もあるけれど、明日は月曜日だ。


俺は明日、体育祭の代休で休みだけど普通は学校や仕事がある。




(レイアもきっと学校か仕事なんだろうなー)




「あ〜ぁ……レイアは来ねぇし、ゴブリンは


 『七色の水晶』落とさねぇし……、


 もう寝ようかなぁー……」




体育祭で疲れたし。




なんだかドッと疲れが出てきた。


そして、俺はベッドにダイブすると3秒で意識が無くなった。










――翌日。


昼飯を食った後、ゲームにログインした。




[Guild] Reia >> あれ?オーリー?




すると、レイアもログインしていた。




(お?)




[Guild] Orli >> レイア なんでいるの?


[Guild] Reia >> 今日、学校お休みなの(´∀`)


[Guild] Orli >> へー レイアもなんだ 俺も今日休み^^


[Guild] Reia >> 誰もいないと思ってたからびっくりした(´∀`)


[Guild] Orli >> うんうん^^


[Guild] Reia >> オーリーって、学生?


[Guild] Orli >> そうだよ 高校生


[Guild] Reia >> えー 高校生だったの?


[Guild] Orli >> 意外?


[Guild] Reia >> うん 大学生かなーって思ってた(´∀`)


[Guild] Orli >> レイアは? 大学生?


[Guild] Reia >> ううん 私も高校生だよ


[Guild] Orli >> 何年生?


[Guild] Reia >> 一年生




(なにぃーっ!?)




[Guild] Orli >> なんだ 実は俺と同い年なんじゃん^^


[Guild] Reia >> オーリーも一年生だったの?(゜□゜;


[Guild] Orli >> うん


[Guild] Reia >> て、今日学校休みって ズル休み?( ̄ー ̄)


[Guild] Orli >> あはは ちがう、ちがう^^ うちの学校


昨日、体育祭があって今日はその代休


[Guild] Reia >> えー 私もだよ(゜□゜;


[Guild] Orli >> うひゃ 偶然^^




(レイアの学校も昨日、体育祭があったのかー。


 それで昨日は疲れてゲームに入ってこなかったのかな?


 この時期はどこの高校もやる事は一緒だなー)




でも、そのおかげでレイアと話せるし、ちょっと嬉しい。




「よっし! この勢いで『七色の水晶』も、げっとしてやるぜっ」


俄然、やる気が出てきた俺は再びゴブリンを叩き始めた。




そして、ゴブリンを叩き始めて5分。


昨夜とはうってかわって意外にもあっさりと


『七色の水晶』が出た。


長期戦を覚悟していた俺はそのまま勢いに乗って


ゴブリンを叩き続けた。


すると、立て続けに『七色の水晶』をドロップした。




(今日はやけに気前がいいじゃねぇかー)




いや、レイアのおかげかもな。




レイアは俺にとって“幸運アップ”の効果があるのかもしれない。

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