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病院あるある  作者: 金紫紅
1/1

おかしな男に話しかけられる

私は退院後、週一で検査のため、例の病院へ通っている。


今日は、診察待ちの人が多く、待合室で座って順番が来るのを待っていた。


待合室は、当然スマホなどは禁止、二人がけの長椅子が壁際に2つずつ並んでいる、狭い部屋だ。



やることもなくボーっと座っていると、男が一人、入ってきた。


「……隣いいですか?」


よその席は埋まっていて、たまたま私の隣が一人分空いていたので、その人が座りにきた。



「……どうぞ」


断る理由もないので、気持ち端へ詰めて席を譲る。


「ありがとう」


何気なくお礼を言って、座ってきた男。


「僕は花粉症が酷くてね、鼻が止まらない」


「はぁ……大変ですね」


男は、聞いてもいないのに話を始めた。


言ってる間も、男は鼻をズビズビ言わして、辛そうだ。


「あなたは?見たところ花粉症でもなさそうですし」


そして、不躾にも人の症状を聞いてくる。


「私は術後の経過を見てもらいに」


「なるほど、辛かったでしょう」

「ええ、まあ」


実際、手術自体は全身麻酔だったから寝て起きたら終わっていたが、その後、39度の熱に、全身の痛み、特に鼻と頭痛がひどくて、3日は意識が朦朧として、歩くのもしんどかった。



もう2度と嫌だと思うには、十分な辛さだ。


「僕も手術したらなおるかな?ほら、あるでしょ?レーザー治療」


聞いたことはある。


「分かりませんが、それでなおるならやった方がいいですよね」


「ね、あー、早く楽になりたいな〜」



「12番さん‼︎」


「あっ、私だ」


「早かったですね、では、僕はもうちょいかな」


「はい、では、」


「ええ、また」



また。


があるかはわからないが、悪い人な気はしなかったので、愛想はよく意識して、別れる。



当然、診察が終わって出てきたときには、待合室に男の姿はなかった。


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