表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

4話:パジャマパーティ

裕子の家での夜は深けて、ぼくと裕子は裕子の部屋でパジャマ姿で昔話に興じている

裕子が喋ることをどこまで信じていいか分からないが、女のぼくは昔から大層もてたらしい

裕子にぼくとの間を取り次ぐように頼む奴が結構いて、裕子的には凄く鬱々しい状況だったみたいだ


「それでさあ、純は田口の事は覚えてる」


田口、田口ってあの親が医者なのを鼻にかけた嫌な奴じゃん

確か、中二の時に同じクラスだったけど、金に飽かせて女を口説いてた

クラスでは男からも浮いてたよな


そういえば、たしか裕子のチョッカイを掛けようとしたんでぼくとケンカになったな

口先だけで力はない奴なので、少し怒ったら直ぐに裕子に手を出すのを止めったっけ


「田口って中二の時の同級で裕子に手を出そうとしてなかったけ」


「違うよ、純と私だよ。それも本命は純。私はオマケだったじゃない」


この辺も記憶と違うよな

まあ、ぼくが女だったとしたら、あいつとケンカってのも変な話か


「純はいつも怒ってたじゃない。油断すると田口がお尻を触ったり、胸を握ろうとしてくるって

修学旅行でクラスの男たちが私たちのお風呂を覗きに来たのも田口の差し金だったじゃん」


確かに修学旅行の覗きを扇動してたのは田口だったよな

その癖、自分は参加しなくて、先生にチクったは田口じゃないかって囁かれてたっけ


「それで田口の奴、自分は風呂の覗きには参加しないで一人で女子の部屋に忍び込んだらしいの

純くん、ブラとパンティーが足りないって言ってたでしょう

あれって、田口が盗んだらしいよ」


うえ、分かっていたけど、やっぱり田口は気持ちが悪い


「でも、何で裕子はそんな事知ってるんだ」


「この間、中学の同窓会でカラオケに行った時に、修学旅行での覗きの話になって

お前らは捕まってバカだ、俺はその隙に純の下着をゲットしたって威張るんだよ

…純は不参加だから知らないよね」


「ぼくがいたら、田口の奴、ぶっ飛ばしてやったのに」


「純の代わりに男の子達にボコられてたよ

純の下着を盗んだなんて聞いたら怒る子が一杯いるのに、同窓会で話しちゃうなんてバカすぎだよね」


ぼくに代わって田口をクラスメートがとっちめてくれたんだ

うれしいと思う気持ちと、ぼくは男なんだから田口に下着を盗まれる訳は無い、という感情が入り乱れる


自分の性別も過去までも、うやむやになってゆく

頭が破裂しそうだ


「純くん、やっぱり田口の話は気持ち悪いよね

ごめんね、知らない方が良かったよね」


裕子はぼくが難しい顔をしているのを、田口に下着を盗まれた事を知ってショックを受けていると思ったようだ


「純くん、ごめんね」


ぼくは裕子に引き寄せられて、裕子の胸にぼくの顔が埋まる


「純くんの気持ちも考えないで変な話をしてごめんなさい」


裕子は贖罪のつもりでぼくを抱きしめるが、裕子の胸に埋まったぼくはそれどころじゃない


「へ、平気だから、裕子が木にする事なんて無いから」


そう言って裕子を引き離すがそれが返って不味かった見たいで余計に抱きしめられる

結局、ぼくは裕子の抱き枕にされて一晩を過ごす事になった




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ