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2話:女子高生とクラスメートと水球部

「どうぞ、お入りない」


ドアのノックに答える声

姉さんとぼくは校長室の前にいる


「入るわよ」


姉さんが耳元で囁く


「失礼します」


高校生らしい大きな声を出し、ドアを開ける

中は伝統校の校長室らしいシックな作りだ


その奥の大きな机の向こうにいるのが校長先生だろう

てっきりお婆さんかと思ったいたら全然若い。30代でも通用する淑女がいた


横には如何にも体育の教師という格好をした若い女の先生が立っている


「いらっしゃい、あなたが純さんね

美咲さんから色々と聞いているわよ

ボーイッシュで快活なお嬢さんと聞いていたけどその通りね」


校長先生の目がぼくを上から下まで舐め回すように見る

なんだろう、ぼくが男だと分かっているのかな

チョット、不安になるが、校長先生は一通りぼくを見た後に目を書類に移した


「純さんは短期留学の間は1組の生徒になってもらいます

特進クラスですので、純さんの学力にも見合っていると思いますよ」


「それと、短期留学の間の部活ですけど、こちらの部活に入ってもらえるのかしら」


「ええっと、短期留学ですからこちらの学校で部活に入っても公式大会への参加資格は無いと思います

それに、3ヶ月で居なくなってしまう1年生では扱いに困ると思いますので入る予定はないのですが」


大体、男として部活に出ていたぼくが女として部活に出るなんてどう考えてもおかしな事になる


「公式大会の件は純さんの言う通りなのだけど、純さんは優秀な水球の選手だと聞いていたので、我が校の水球部に入って貰えば刺激になると思っていたのよね」


いや、まずいだろう

水球だよ

女の中に男が入ってやれるスポーツじゃないよ


ぼくが渋い顔をしているのを見取った校長先生が言葉を繋げる


「御免なさいね、イキナリ過ぎたわね

部活の件は良く考えてから決めてもらえれば良いと思うわ

それでは、三ヶ月の短い期間ですが、我が校は貴方を歓迎します」


「それで、横に立って待ってくれているのが貴方のクラスの担任の先生よ」


「雪菜先生、こちらが短期留学の間、先生のクラスに入る純さんです」


その先生はキビキビとした動作でぼくを見て話し出した


「君が純君だね。3ヶ月の間だが、君の担任を務める雪菜だ

特進クラスは勉強が大変だが君の学力なら問題はないと思う

クラスの仲間も気のいい奴ばかりだから、この交換留学を楽しんでくれたまえ」


体育の先生らしくクラスのみんなが仲間でいい子ちゃんの集まりだと思っているみたいだね


「校長先生、純君をクラスに連れて行ってもよろしいでしょうか」


「はい、雪菜先生、私の挨拶は終わりましたので、後はよろしくお願いします」


「それではクラスに向おうか」


雪菜先生に促されてぼくは校長室を後にする

1年1組まで校内を移動するのだが校内は大変静かで綺麗だ

さすがは伝統校

最近は人気が降下気味だが腐っても鯛と言うところか


「純さん、ここが貴方のクラスです」


雪菜先生が立ち止まり1つの扉を指差す


「これからショートホームルームを行います

貴方の名前が出たら入って来てください」


そう言って雪菜先生は教室に入って行った

暫くすると中でぼくの名前が呼ばれる声が聞こえたので、扉を開けて教室に入る


「キャアア」


乾いた悲鳴があがる


「美咲先輩と違ってボーイッシュだけど、ステキなな方ね」


僕を値踏みする声が重なる


「はい、静かに

今日から3ヶ月の予定で交換留学で我が校に来た三上 純君だ

君たちに色々と刺激を与えてくれるはずだから、仲良くして成長の機会を逃さないように

それでは、純君、一言話してくれたえ」


クラスのみんなの目が一斉にぼくを向く

一呼吸置き、ぼくは話し始める


「県立三校から短期の交換留学で来ました、三上 純です

3ヶ月という短い間ですがよろしくお願いします

後、この学校の生徒会長はぼくの姉になりますが、性格は大きく違いますので、姉を見てぼくに期待していた方がいたら最初に謝っておきます」


「短い間ですがよろしくお願いします」


「パチパチパチパチ」


それで、純君の席だが、あの窓際の空いている席を使ってもらう

隣に座っているのが、クラス委員の由美子だ

何か困った事が起きたら彼女に相談したまえ」


先生に促されてぼくは席に着く


「それでは、授業を始める

ああ、純君は教科書が無いか、取り敢えず由美子、見せてあげるように」


かくして、ぼくの女子校生活は始まった

なんて悠長なことは考えてはいられないらしい


なんだろう、教科書を見せてくれるのに机を近づけるのは問題ない

でも、肘で何度も胸を突くのはわざとだろう

それに消しゴムを転がして、ぼくのスカートの上に落として、わざと太ももを触るのはどう言うつもりなんだろう


少しイライラが募った所で1時間目が終わる

先生が出て行った瞬間、ぼくの周りにクラスメートが集まる


「ねえ、ねえ、純さんは三校だから共学でしょう

彼氏とかいるの!」


いきなりですか


「ええ、そんなのいないよ」


ぼくに彼氏が居てどうなるんだよ


「でも、純さんて男慣れしてるわよね」


「そうよね」

「そうそう」


「チョット待ってよ

会ったばかりで何でそんな事が分かるの」


「あら、分かるわよ」


そう言って委員長がぼくの手を取る


「いい、よく見てね」


ぼくの手を隣にいた子の胸に誘導して触らせる


「きゃああ」


ぼくの手が胸に触れた女の子は当然騒ぎ出す

当たり前だろう


「だから、なんなの」


「分からない、男慣れしていない女子は胸を触られたらビックリするの

でも、純は私の肘が胸に当たっても気にも留めなかったでしょう

だから… 判るでしょう」


ウンわかった。やっぱり女子高生は謎の生物だ


「由美子、君は間違ってるよ」


おっ、助け舟か


「純君は、三校の水球部のエースプレイヤーなんだから

胸を触られたぐらいで動じる訳無いわよ」


「ええ〜、純君って水球部なんだ

じゃあ、胸を触られるぐらいに日常茶飯事か」


なんだろう、誤解は解けたけど釈然としない

水球をバカにされている気になる


「咲なんて、この間の紅白戦で先輩に水着引っ張られておっぱいポロリだったって」


委員長が得意げに話す横で、ぼくが水球をやってるって言った子が真っ赤になってる

あの子が、咲か


「委員長、水球に恨みでもあるの」


ぼくが冷たい声で委員長に言うと固まる委員長


「待って純君、由美子は悪気があって言ってる訳じゃ無いの

だから、怒らないで」


庇おうとしている咲に仲裁されてぼくは白けてしまう


「ええっと、咲さんだっけ。貴方が気にしないならぼくがどうこうする話じゃ無いわ

でもなんか白けた」


不貞腐れた僕の物言いを契機にみんなぼくの側から離れていく

委員長は何か言いたげだが知ったこっちゃない

結局、その後は委員長に教科書を見せてもらう事も無く放課後になった


「ねえ、ねえ、純君、まだ怒ってる」


水球部の咲が近ずいてくる


「良かったら、うちの水球部に顔を出さない」


申し訳無さそうに話し掛けてくる咲

別に咲に含む所も無いし、お付き合いするか


「そんなに遅くならなければ良いよ

あっ、勿論水着とか持ってきてないよ」


ぱあっと嬉しそうな顔になる咲

ニコニコが止まらない感じだ


「じゃあさ、急いで行こう」


うわあ、張り切り過ぎ

そんなに手を引っ張らないでよ

咲に引っ張られて小走りで水球部を目指す


「着いたよ、ここだから」


プールサイドに部室があるようだ

でも中には誰もいない


「誰もいないみたいだね」


「今の時間はコッチだから」


咲に引っ張られて奥の扉を開ける


「ウヘッ」


「部長、噂通り、三校の純君が交換留学でウチに来たんです」


ショートボブが似合うオッパイちゃんがこっちにやって来る


「君が純君か〜、わたしが水球部の部長をやっている明菜だよ」


握手を求めて来る明菜さん

フレンドリーなのはいいけど、明菜さんトップレスです

ボヨンボヨンです


確かにここは更衣室兼シャワー室らしい

そして水球部なのだから水着に着替えるのは当然だね

着替えの途中にきたぼくが悪いんだよね


「君が純君か」


フレンドリーな声と共に後ろから抱きつく誰か

胸、胸がフニュウって潰れるくらい背中に当たってるんですけど

手に持っているのは水着ですか…


「僕が副部長の美樹だよ、ヨロシク」


そう言って回り込んで来る美樹さん

ええっと、不味いです、美樹さん全裸です


その水着を着ましょうよ。ダメならアンダーウエアーでも良いです

どうしよう、水球部ってボインちゃんしか入れないの?


ボインボイン、合わせて4ボインに囲まれるぼく

目を背けたいけど下は向くのはもっとヤバい

2人が手を出すのでぼくも手を出すとブンブンと振り回す握手


ボインボインもブンブンと揺れるんです

ここは桃源郷ですか

でもぼくは名残惜しがったりしません


「明菜さん、美樹さん、今日は咲さんに誘われてご挨拶に来ました

あまり時間の余裕がないのですが許す限り見学をさせて下さい」


そういって、ここからの脱出を図る

ダメだ、美樹さんに捕まった

今度は正面からのハグです


もう一度言います、美樹さん全裸です

オッパイの圧力と肌から伝わる美樹さんと体温でぼくは限界です

美樹さん、下、当たってませんか


ギュウッと抱きしめられた後で解放される


「ごめん、嬉し過ぎて。純君のプレー、私の憧れだったんだ

今日は、純君とハグできてすっごく嬉しい」


にこやかに笑う美樹さん、ステキな笑顔です

ぼくもほっこりとします

全裸でなかったら


「美樹さんにそんな風に言ってもらえて光栄です」


喜びの表情とブンブンと振り回す握手をもう一回してやっと脱出だ

部室に戻り、椅子に崩れ落ちるぼく

家に隠してあるエッチな本の百万倍はヤバい刺激だった


隣に来た咲も副部長の暴走は想定外だったみたいで謝ってくれた

勿論彼女の観点は、はしたないなので、ぼくの驚愕した気持ちまでは分からないはず

でも、謝ってくれることは嬉しくて水球部も悪くないと思わず思ってしまい見学にぼくは向かうのだった

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