桑野家の生活
うぐっと黙る赤音に緑は続けて意見する。
「百歩譲ってトイレの鍵は仕方ないにしても超能力で青姉を吹き飛ばすのはどうかと思うけどなあ。」
ごめんなさいと謝る赤音を背に、緑は青葉にも意見する。
「青姉も、吹き飛ばされて頭にくるのはわかるけどさ、家の家計も考えてよ。」
緑から目をそらし謝る青葉。
緑は溜息を吐くと能力を解いて二人を自由にさせた。
「もう、洗濯機は買わないから。」
それを聞いた赤音が緑の足にしがみつく。
「おねがい、それだけは。」
隣に住む両親の家にも洗濯機はある。
洗濯物を持って隣の両親の家で洗濯をして貰えばいいのだが、赤音はそれを嫌がる。
理由は面倒くさいからだ。
「駄目ったら駄目。」
緑にキツく言われても赤音は子供みたいに駄々をこねる。
そんな中、青葉が口を開く。
「緑、私からもおねがい。」
「うっ、青姉。」
緑は青葉を慕っているせいかどこか青葉に対して甘い。
だからこそ、青葉の頼みは断れずに了承してしまう。
ただこのままでは家計が厳しいので次やったらもう買わない事を二人に約束させた。
「ありがとう、青葉」
そう言って青葉に抱きつく赤音。
青葉は頬を少し赤らめ、照れ臭そうに別にと呟いた。
そんな二人を見ながら緑は溜息を吐くのであった。