シャズイーニの想い
ファシルがアオバを部屋に案内していた頃、飛龍シャズイーニはルーリエの森上空をあてもなく飛んでいた。
「人間を助手にするなんてファシルは頭がいかれちまったのか?」
シャズイーニは荒々しく首を振り、今日の出来事を忘れようとする。
人間が龍のことを毛嫌いするように、龍もまた人間を毛嫌いしている事が多かった。
その美しい鱗や牙、卵を目当てに龍が人間に狩られることもあるからだ。
特にシャズイーニはある事をきっかけに人間を全く信用しなくなった。
「ソーニャ......君ならもう一度、人間を信じてしまうのかい?」
龍の声は他の生き物のように喉から発せられる訳ではない。
自分の言葉を聞かせたい相手を選んで、魂を同調させて言葉を届けるのである。
相手には心の中に声が響くような奇妙な感覚を与える。
これは魔法の一種で、エコー魔法と呼ばれるもので龍族が太古の昔に始めたとされている。
聞かせる意思も持たずに発せられたシャズイーニの言葉は、誰にも聞かれること無く夜の闇に吸い込まれていった。
シャズイーニの過去には何があったんでしょうね☺️
後々書いていこうと思っています。シャズイーニファンの方は必読ですよ!