お嬢さまと従者ミネリダ
「従者ミネリダ、市民商店街へ征く3」の続きです。
「あら、ミネリダったらクマチャンをいつのまに?」
「ひゃっ! お、お嬢さまっ! こ、これはですね……」
お屋敷へ帰り、ミネリダはクマチャンを自室へと運ぼうとした。しかし、ミネリダが帰ってきたことをいち早く聞きつけたお嬢さまが押しかけてきてしまい、ミネリダがクマチャンを抱いている姿をバッチリ見られてしまった。
「ふふ~ん、まあいいわ。ほら、早く仕事着に着替えなさいな。貴女は私の唯一の従者ですのよ、貴女がいつまでも休んでいては私は困ってしまうわ」
「は、はい! ただちに!」
「あ、そうです。貴女のクマチャンを後ほど私にも見せてくださいな」
「りょ、了解なのです!」
なにか恥ずかしいものを見られたかのように顔を赤くして返事するミネリダに、お嬢さまは思わず笑ってしまった。
「ふふっ、ミネリダはいつもそうね。貴女はいつでも可愛らしいわ」
「そ、そんなこと、ありませんですよっお嬢さま~」
白と青の変則的なメイド服を着たミネリダは、さっそくお嬢さまの部屋へと赴いた。
その腕には抱かれたあほうどりクマチャンがそのキュートなくちばしを揺らしている。さらにミネリダはつぶらな眼の愛くるしさも気に入っていた。
「お嬢さま、クマチャンをお持ちいたしました」
「入っていいわ」
中ではお嬢さまがクマチャンを抱いて紅茶を飲んでいた。ミネリダが馬車で見たあのクマチャンだ。相も変わらずキュートなボデーである。
「さ、もっとこっちに来なさいな。貴女のクマチャンが見られないわ」
「はい」
お嬢さまはミネリダのクマチャンが自身のものと少し違うことに気がついた。丸っこい身体のクマチャンと翼のついたクマチャン。
「ミネリダのクマチャンは変わっているのね。私のと少し違うわ」
「そうようですね。店主は「あほうどり」のクマチャンだと言っていましたが、よく意味はわかりません」
「そうなの。それでも、どちらも可愛いことに変わりはないわ」
「そうですねっ、お嬢さま」
二人は笑いあって、そしてその日は、お嬢さまの周りで流行っているクマチャン遊びでお嬢さまとミネリダは楽しんだのであった。
おわり。