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第二章 16

      16


 大広間に向かうため、ラパルクと廊下を歩きながら、ネイリンは、自分の心に疑問を感じていた。ジーナスの死体を見たときには、あれほど動揺していた自分が、なぜトーナスの死体を見た今は、これほど落ち着いているのだろう。そう思ったのだ。

 トーナスは、ジーナスほど親しくなかったし、言葉もあまり交わさなかった。それゆえのことだろうか。いや、そんなことは関係ない気がする。トーナスの死は、彼の死を意味するだけではない。一日のうちに二人が死んだ、ということを意味するのだ。

 そして、その意味は、連続殺人を連想させる。

 動揺は、トーナスの死を知った今こそ、最高潮に達していなければ、おかしいような気がするのだ。

 ネイリンは、自分の胸のうちを探った。

 平静ではない。ざわついてはいる。だがそれは、お祭りのときのような高揚感に似ている気がする。

 ジーナスの死は現実だった。しかしそれにつづくトーナスの死によって、出来事は一連のものとなり、それは一種現実から遊離した、非現実の世界にネイリンを誘った、ということなのだろうか。

 ――いけないな。

 と思った。これは現実だ。そして、ロッテの生活、人生に密着した中で起きている、凄惨な事件なのだ。当事者ではない自分たちが冷静の中にいなくてはいけないが、それとはべつに、当事者の気持ちにもしっかり配慮しなくては。

 ネイリンは、パンっと思い切り、両の手でほほを張った。ラパルクが、驚いた表情でネイリンを見る。べつに、といって、ネイリンは階段を駆け下りた。


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