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色彩の世界  作者: 松永煌
第一章・召喚編 動き出す時
4/19

第三話

第三話です。

今回はヒロイン視点です。

ーーーーー??視点ーーーーー


ーーーーー現代日本のどこかの都市ーーーーー


「よしっ、送信っと。」


私、日野晴はメッセージを送れたことを確認してからいつも使っているメッセージアプリを閉じた。

彼はまだ学校だろう。きっと返信が来るのはだいぶ後だ。

バイト帰りの電車の中でそう考えながらの帰路。

私は目を閉じて、さっき送ったメッセージに想いを馳せる。

なにせこの頃忙しかったのだ。ようやく彼と会う時間が取れた。


「楽しみだなぁ…」


〜〜「次は〇〇〜〇〇〜」〜〜


「やばっ、もう降りなきゃ!」


急いでICカードを取り出し、電車を降りる。改札を出て、家へと歩き出す。

いつものようにヘッドホンをつけ、音楽を聴きながら歩いていると、スマホから通知音がした。

スマホを開くと、期待していた人物からのメッセージではなかった。自分の母親からだった。


「早く帰って来い?何かあるのかしら?」


不思議に思いつつも早く帰るべく、足を速める。そろそろ秋だ。外が暗くなり始める前に帰って来いと言うことだろう。

一人でそう納得し、歩き続けると、突然普段は聞かないような音が聞こえた。


「何この音?まだ鈴虫には早いわよ?」


音を怪しんでいると、突如地面が光り出した。日常では全く無い体験に動けなくなる。

非日常な体験に私は腰を抜かし、やがて意識が曖昧になってきた。

無意識下にではあるが、おそらく助けを求めようとしたのだろう。見覚えのあるメッセージのある画面が意識が落ちる前、最後に覚えていたことだ。










宛先:日影


本文:勉強おつかれ!

  ようやくバイトの休み取れそう!そっちの予定はどうかな?

  また一緒に遊びに行こう!

  あと明日の夜って電話できそう?できたらそっちの予定とかその時に教えて〜

     晴









ーーーーー??ーーーーー


眩しい。私が目を覚まして最初に思ったのはそんなことだ。

次にここはどこだということを考えた。確か私は道の真ん中で気を失ったはず…

すると声が前から聞こえてきた。


「目が覚めたようだな。」


自分の事に集中しすぎて、私は目の前にいる人に気が付かなかったらしい。

混乱する頭でも思ったことが一つあった。それが自然と声に出てしまった。


「誰?」


聞き方が少々ぶっきらぼうになってしまったがとりあえず声はしっかりと出ることに安堵を覚えた。

声の主はこんな聞き方でも怒らずに問いに答えてくれた。


「おっと、自己紹介を忘れちゃいかんな。

 ワシはジグルド・インパルス・ケセド。

 このケセド王国の王じゃ。」


なんかいきなり、おじいちゃんみたいな雰囲気の人が変なことを言ってきた。

いきなり知らない王国の名前とかを言われて、より頭が混乱してきた。

私は元から国の名前とかを覚えられないのだ。

私の混乱が収まってきた頃、私は目の前の人に聞かないといけないことがあることに気づいた。


「あの、私がここに来たのは王様?のせいですよね?

 なんで私はここに来たのでしょうか?」


私がそう言うと王様?らしき目の前の人は表情を固まらせた。

そして座っていた豪華そうな椅子から立つとこちらに向かって歩いてきた。

いつからいたのか、周囲の人たちは王様を止めようとしてたが、王様自身が止めさせてた。

……なんか周囲にいる人たち、すんごい武装してない?鎧まで着込んでて、私の周りにもいるし。

私の近くに来た王様は私に向かって言った。


「お主がここに召喚されたのは他でも無いワシのせいじゃ。」


そう前置きをして語り出した。


「この国は今戦争中じゃ。防衛するワシらと侵攻してくる魔族とのな。

 そして我が軍は現在劣勢。このままでは戦争に負け、この国は滅ぼされるだろう。

 ワシは我が国を、そしてそれ以上に国民を守らなければならない。

 そこでワシはついに禁術に手を出してしまった。…出さざるを得なかった。

 …勇者召喚の儀じゃ。」


要するに私はこの国を守るために勇者として召喚されたらしい。日本ではラノベ?と言うものはあまり読まなかったがワードだけは知っていた。


「なるほど。ちょっとは理解できました。

 でもなぜ禁術なんでしょうか?」

「この召喚の儀には二つ問題があってな、一つは魔力の問題じゃが今は関係ない。

 二つ目の方が問題なんじゃ。」

「問題とは?」


そう聞くと、王様がいきなり土下座をした。


「ちょっと!?土下座なんてしなくても!」

「いや!この件に関してはワシはこうするしかお主に謝罪ができん!」


そう言うと王様は話の続きを語り出した。


「この召喚の儀は違う世界から無許可で人を引き連れてきて、勝手に洗脳すると言うことなんじゃ。

 あぁ、もちろん洗脳なんてものは解除しておるぞ。」

「洗脳を!?…失礼しました。突然大声を。確かにそれは人道的に危ないですね。」

「そして、もう一つが勝手に連れてきてしまった人物を元の世界に返せないと言うことなのじゃ。

 ……つまり、ワシはお主を勝手にこちらの都合でこちらの世界に連れてきてしまった上に元の居場所に帰せない と言うことじゃ…」

「え?」


足下が崩れていくような感覚がした。つまりもう友達に、父に、母に、…日影に、会えないということだった。

また、腰が抜け、座り込んでしまった。

王様は土下座したまま言葉を綴る。


「…本当に申し訳ない…

 分かってくれとは言わん。こんなもので許されるとは全く思わん!

 だがワシはこうしないと気がすまんのじゃ…」


そんな言葉に私も覚悟が決まる。

ここまでされたら人として動かないとダメだろう。


「顔をあげてください、ジグルド様。

 私も覚悟が決まりました。この国を救うために共に頑張りましょう!」

「…本当に良いのか?こちらの都合で勝手に召喚されただけなのにここまでしてもらっても…」

「…いいんです。出来ないことを考えてもしょうがありません。見るべきは今のことです。」

「…心から感謝する。本当にっ…ありがとう…!」


周囲の人たち、多分騎士か何かだろう。その人たちも私に向かって頭を下げていた。

その光景を見て決意が固まる。

………もう日本には帰れないんだと、この世界で生きていくんだと、そう確信した。

日本のことは今はとりあえず忘れようとして、頭から追い出そうとする。




ああでも、一つ心残りがあるとしたら…






      もう一度日影に会いたかったなぁ






日野 晴 17歳


スキル

白の女王


状態異常

なし

と言う事で第三話でした。

次回も晴視点となります。

再会まで後少し…

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