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色彩の世界  作者: 松永煌
第一章・召喚編 動き出す時
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第一話

とりあえず第一話です。

ーーーーーとある都市にあるなんの変哲もない高校ーーーーー


「おーい、日影。また勉強教えてくれよ!」

「はぁ、またかよ。全くしょうがねぇなぁ。」


そう会話する男子生徒の影が二つ。

ここ数日勉強を教えてくれと言ってくるコイツ、吾妻空汰が今日もまた来た。

人懐っこそうな目尻に、誰もに好かれるような笑顔がよく似合うイケメン。

ここの高校に他の高校のような校則があったら、即生徒指導行きにされるであろう明るい茶髪をしたイケメンがニコニコと参考書を持ってこちらの方に歩いてくる。

いつもの通り、会話を交わす。

なんでも、次のテストで赤点を取ると部活でレギュラーを外されてしまうそうだ。運動部というのはなんとも大変そうだ。まぁ文化部の僕には全くわからないが。


「んで、今日はどこがわからねぇんだ?」

「えーと、全部!」

「全部!…じゃねえよ。具体的に言わないと教えるとこごっちゃになるだろ。」

「それもそっか!…じゃあ日本史で!んじゃ今日も頼むよ!学年一の天才サンっ♪」


学年一の天才。

それが僕の通り名だ。

正直このあだ名はやめてほしいが、事実として成績が一番高いのは自分なのだから妥当なのだろう。

イマイチパッとしない顔に目にかかることの多い黒髪。死ぬほど細い目。

きっと勉強ができなければモブとさえ思われそうな容姿の高校生。

それが僕、月野日影だ。


「それじゃあ、この時代の流れからだがーーー」

「あ、おった。空汰ぁ。何してんの〜?」

「ゲッ。有栖」

「ゲッとはなんやゲッとは〜。また勉強教えてもらっとんの〜?」

「その通りだ服部さん。君からもコイツに一言言って欲しい。」


今来た女子が服部有栖だ。

黒いショートヘアにメガネの女子。話し方は少々訛りが入っているが、真面目な性格からかクラスの人からは「委員長」と呼ばれているらしい。

あくまで他の人から……と言うか目の前のイケメン(空汰)から聞いた話だ。

空汰とは幼馴染にあたる関係らしいが、当の本人からは腐れ縁としか聞いたことがない。


「日本史やってんの?ワタシも教えて欲しいな〜」

「はぁ?お前も?今オレが教えてもらってるんだけど」

「一人増えたぐらいいいでしょう?ね?日影くん」

「とんとん拍子で話を進めるな。ったく一からまた教え直ししなくちゃならねえだろうが。ほら、ノート出せ。」

「やった〜」

「おーい、オレもう一回同じこと聞かなきゃいけないの?」

「まあ仕方ないことだ。諦めてくれ空汰。」

「そんなぁ」


空き教室に笑い声が響きわたる。そんな中異音が鳴り響く。

一つはカバンの中から。もう一つは()()()()

だけど僕たちは一つの異音にしか気づかなかった。


「悪い。僕のスマホだわ。一旦勉強休憩な。」

「やっと休憩キター。オレもうヘトヘトだわ。」

「空汰疲れるの早〜」

「るせー」


スマホを手に取り、普段使うメッセージアプリを立ち上げる。

差出人の名前が見えた途端上がりかけた口角を必死に耐える、ここは人前だ。

さて内容を見ようーーーーー


「二人ともなんか()()()()()()()()()()()()()?」

「「は?」」


普段の会話では決して聞かない言葉が意識を現実に戻す。

ふと視線を向けると自分以外の二人が光って見えた。

…いや、よく見れば自分も光って見える。

…………………………は?



普段は嫌になる程よく働く頭脳がこの瞬間だけまるで止まったかのようだった。

他二人もこの非現実な出来事に認識が追いついていない様子だった。

もし、空汰が正気なのであったのならば、こんな言葉を発していたはずであろう。

「コレってもしかして異世界転移ってやつ!?」と。

そんなくだらないことを考えながら、何か強い引力に引っ張られるかのような認識を覚えたのを最後に僕の意識は消えた。


………あぁ、メッセージ返信するの忘れてたなぁ…………















今回の勇者召喚の儀における召喚人数がイレギュラーにより、最大転移人数を超過しました。

正常転移者二名に対して召喚者の安全を守るための▪️▪️の付与…成功しました。

超過転移者一名に対し、召喚者の安全を守るための▪️▪️の付与…失敗しました。

転移者の言語圏が世界とは違うことを確認。

自動翻訳の付与。全てに転移者に成功。

以上にて今回召喚の儀の処理に成功。




………続いての処理に移行します。…………







ーーーーー???ーーーーー


「……なはずはないだろう!なぜ此奴だけなっておらぬ!」

「しかし何度確認してもそのような事実は一切確認できず…」


声が、聞こえる。少し意識と記憶が曖昧だ。

俺は、僕は何をしていたんだっけ?そうだ教室で…


「ええい、もう良い!こうなれば儂自ら……ちょうど良い。起きたようじゃ。直接問いただせば分かるじゃろう!おい!そこの貴様!」

「はっ、はい」

「今から儂の言う通りのことをしろ!『ステータスオープン』」

「は、はい。『ステータスオープン』」



月野 日影 17歳


スキル

黒の王


状態異常

意識混濁




「……なぜじゃ!なぜ貴様にはついておらん!」

「あ、あのー。ついていないとはどう言うことでしょうか?」

「なんじゃ貴様!この儂に向かって質問とは無礼な!

 ……しかし今日の儂は普段より少しだけ!気分が良い。説明をしてやろう。

 おい、あの二人を連れてこい。」

「はい。直ちに。」


その時に思い出した。あの時に教室にいたのは自分一人だけではなかったのだ。


「すいません!あとの二人ぐらい近くにいませんでしたか!?」

「まぁそう焦るな。直に分かる。その前に説明してやろう。

 儂はシェリダー皇国国王、グリス・グロス・シェリダーじゃ。」


目の前の人はどうやらこの辺りの王様に当たる人らしい。

しかし、第一印象からもうすでに目の前のやつとはとてもじゃないが好印象を持てなさそうだった。

下卑た視線。つっかえて動きづらそうな程出ているお腹。薄い髪に、慢心とこちらを侮るような態度。


「この度貴様ら3人を勇者召喚の儀によって召喚した者じゃ。いくらでも感謝してくれてもいいのだぞ。」

「それはどーも。ところで二人は?」

「まぁ落ち着け。この勇者召喚の儀には面白いことがあってな、なんでも召喚した際に召喚者に害されないために とある状態にしてから召喚されるそうじゃ。貴様はそれが何かわかるか?」

「…敵対しないように………状態……ステータス……」


召喚されたと言う事実に止まっていた思考がようやく動き出す。

与えられた情報を整理して、持ち得るありったけの脳内リソースを駆使して推測する。

目の前の人の思考回路も踏まえて考えれる可能性を考えて………

……そして最悪の可能性に思い当たる。


「お前まさか!くそ!二人はどうなってるんだ!教えろ!」

「おっと、近衛兵!取り押さえろ!

 心配せずとも今すぐに…、来たようじゃな。

 おい!此奴に見せてやれ!」

「「『『ステータスオープン』』」」


吾妻 空汰 16歳


スキル

黄の将軍


状態異常

洗脳



服部 有栖 16歳


スキル

無色の異端者


状態異常

洗脳



「…あぁ…ぁぁぁぁあああああああ!!」


思考の末に辿り着いた最悪の可能性に、一番あり得てほしくなかった選択肢を目の当たりにしてしまった。

頭がバラバラになる感覚に襲われる。目の前の相手を殺してやりたいほどの衝動に駆られる。

目が焼けるほどの熱を帯びる。

よくも!ヨクモ自分の高校での一番の友人に、たまに話す仲だった相手にコンナ仕打ちヲ!



「とまぁ、こんな風に今では完全に儂の手駒よ。

 さて貴様はどうする?今なら儂に従うことも許してやらんでもないが…」


その言葉にさっき以上の怒りが心の底から噴き出す。


「誰が貴様なんかに従うかっ!!」

「そうか。ならば貴様は国外に追放することとする。その選択を後悔し続けるといい。

 近衛兵!外に引っ張り出して来い!」


身体が近衛兵に引っ張られる。友達が、親友が、憎むべき相手が遠ざかっていく。

今できることは何もない。だがいつか。いつかは。


「待ってろ!いつか敵として帰ってきてやる!その時は貴様の命日だ!」

「言ってろ!ノロノロせずにほら行くぞ。」


身体が扉の外に投げ出される。

扉が閉まる最後に目に焼き付いたのは、こちらを無表情の冷たい目で見る有栖とどこか泣きそうな目で見る空汰。

そしてそんな二人を欲望に塗れた濁った目で眺め、こちらを嘲笑うかのような表情を浮かべるクソ野郎の姿だけだった。

ということで第一話でした。

展開自体は考えているんですけど、自分の語彙力と表現力が持つかが不明なので気長に待っていただけると幸いです。

また、誤字脱字があった場合は教えていただけると嬉しいです。

人物紹介はまた後で詳しくまとめる予定です。

あと、話数ごとのタイトルは変えるかもです。

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