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色彩の世界  作者: 松永煌
第一章・召喚編 動き出す時
14/19

第十三話

第十三話です。

『』→念話、魔術、魔法、大人数の声

「」→普通の会話

()→心の中

のつもりで書いてます

ーーーーー魔術訓練場ーーーーー


「総員、傾聴!

 本日の訓練は勇者様御二人との合同訓練である!

 勇者様が来ているからと言って、自身の訓練を怠らないように!」

『ハイッ!!』


昼過ぎの訓練場に将軍の号令と兵士さんたちの返答が響き渡る。

一応僕たちも兵士さんたちに挨拶をする。


「本日はよろしくお願いします」

「えーと僕は本日もよろしくお願いします?」

「日影様!もっと自信を持ってください!」

「そうだよ日影〜ちゃんとしないと兵士さんたちに示しがつかないよ〜」

「なんで僕だけこんなにいじられなきゃいけないのか納得いかねぇ」

「そうですよ。日影様もですが、晴もちゃんとしないと」

「やばっ、藪蛇だった」


軽口を互いに叩きながら僕たちに割り当てられた場所まで向かう。

他の場所よりも比較的広い場所だ。

なんでも僕たちの魔法の威力が予想できないからとりあえず広いとこ、ってことになったらしい。


魔術の訓練場は縦に長く、離れたところに的が置いてある形式だ。

的には使い古された鎧だったり、藁人形だったりと様々だ。今回の的は鎧のようだ。


「藁人形だと燃えるし、壊れやすいですからね

 今回は鎧でやっていきましょう。晴は少し加減してくださいね?」

「分かった〜」


晴はこの間も使ったからか、比較的気軽にできているみたいだが、僕は初めてのことに緊張しっぱなしだ。

そんな緊張をサラさんには見抜かれていたのか、晴から新スキルの確認を始めることになった。


「晴の様子を見て、どんな感じか確認してくださいねー」

「わ、分かりました」


……やっぱり気を使われているようにしか思えない。今はそれがありがたいのだが。


「サラちゃ〜ん、詠唱ってあったほうがいい?」

「あまり高威力すぎてもアレですから、今回はとりあえずなしでお願いします。

 …威力抑えめでお願いしますね?」

「はーい」


どうやら始まるみたいだ。しっかりと見て自分の番の時に備えるとしよう。


「晴〜!頑張れー!」


それはそうと応援ぐらいはするが。


「はーい!よしっ、気合い入れてやるぞー!」


そう晴が軽く気合いを入れたとき、辺りをとんでもない圧力が襲った。

おおかた、晴が魔力を解放したのかその辺りだろうが、それだけでこんなになるとは凄まじい。

……これってひょっとしなくてもやばい?

そんなことを思ってると、サラさんが慌て出した。


「ちょっと晴!?魔力多すぎ………………」


「『天照(アマテラス)』」


サラさんの制止の声が届く前に晴の魔法が発動した。

瞬間、辺りを眩しい光が照らした。

目を開いていられなくて、思わず目を閉じてしまった。

再び目を開けた時、的の鎧は跡形もなく消滅してしまっており、周囲の気温は若干上がっていた。

季節はもう秋だと言うのに、長袖を着てると暑く感じるぐらいだ。

そして晴は元の位置にひっくり返っていた。

……多分反動か何かで転んだんだろう。


「あれ?威力ミスった?ちゃんとできたと思ってたのにな〜」

「晴?寝転びながら言ってても説得力ないですよ

 それより、何が起こったんですか?」


サラさんが目を抑えながら、寝転がってる晴にそう聞く。やっぱ眩しかったっぽい。


「ファイアの強化系みたいな感じで、炎かなんかを前に飛ばした感じかな?

 ただ、炎というより太陽とかそっちに近いかも」

「分かりました。

 ……日影様、少し待っておいて下さい。

 晴にお説教と鎧の替えを持ってきますので」

「え?私また何かやった?」


……正直、やらかしてしかないと思う。鎧消滅するほどの威力は流石の僕でも擁護できない。

大人しくサラさんに怒られてくれ、晴。


「サラちゃん!?何でそんな怖い顔してこっち来るの!?

 ………ちょっとなんか話してよ!?日影サラちゃん止めて!」

「ごめん、ちょっと今回ばかりはサラさんのほうが正しいと思う。

 大人しく怒られたほうがいいと思うよ…」

「晴?私威力は抑えめでって言いましたよね?」

「ピィ!?」


あ、引きづられて行った。こりゃしばらくかかりそうだな。


二人が帰ってくるのを待つがてら、兵士さんたちと話をすることになった。

昨日の訓練で一緒だったので、少しは話しかけやすかった。


「僕魔法とかの威力ってわからないんですけど、さっきのアレって兵士さんたちからしたら

 どういう感じなんですか?」

「さっきのか?…あんな威力のやつ、今まで見たことねぇなぁ!見てるこっちがヒヤヒヤしたよ!」

「正直この世界であんな威力のやつ撃てるやついねぇんじゃないかな!」

「そうなんですか…

 …正直晴が怖いとかは思ったりはしないんですか?」

「そうだなぁ…

 晴様が敵だっていうならそりゃもちろん怖いが、今は味方だろ!」

「味方だっていうならどこも怖くなんかねぇよ!むしろ頼もしくてしょうがねぇよ!」

「違いねぇ!」

『はっはっはっ!!』


どうやら好意的に見られているみたいだ。

……良かった。これで晴が怖がられるなんてことがあったら僕は耐えられなかっただろう。

やっぱりこの国の人たちはいい人ばかりだ。あんのクソ皇国だったらこんなことにはならなかっただろう。


「それにしても日影様は彼女様に対して甘々だねぇ

 やっぱ何よりも大事なんかねぇ」

「馬鹿野郎!当たり前だろ!なんせ王宮の中でも晴様に過保護な日影様ってもう知れ渡ってんだぞ!」

「そりゃそうか!じゃないと俺らの耳にも届かないもんだもんな!」

「ちょっと……僕の話はそこまでで……」

「おっと!噂をしたら日影様じゃねぇか!流石だねぇ!」

「昨日訓練でボコボコにされたから仕返しに俺らで日影様の噂話してんの。

 日影様も入る?」

「なんで僕の話なんだよ……僕はいいかな……」

「じゃあ続き話すか!じゃあ俺から!

 日影様と晴様の右手に指……」

「ストッップ!!普段から何話してんのさぁ!?君たちぃぃ!?」

『え、日影様の噂話について?』

「知ってたよ畜生!」


知らないところで僕の噂話がバレ撒かれていた件。どうないせいって言うんですか?


「日影〜、準備出来たよ〜?」

「ナイスタイミング晴!

 なんか準備整ったらしいので僕はこの辺で!話に付き合ってくれてありがとう!」


困っていたところにちょうど晴が来てくれた。

これ幸いと僕は兵士さんたちの輪から抜け出した。

そんな僕をみて兵士さんたちが何か話してたみたいだが、僕は聞こえてない。聞こえてないったら聞こえてない。


「じゃあ日影様もさっきの晴みたいにあそこの鎧に魔法を撃ってください。

 くれぐれも!威力は控えめでお願いしますね!」

「はい…

 じゃあいきますねー」


僕はサラさんにそう言って、魔法を放つ準備に入った。

魔力を練り上げる。精神を整える。魔法のイメージを固める。

最後に証である指輪を強く握り込み、目を閉じる。

そして目を見開き、僕だけの魔法の名を唱える。


「『流れ星(シューティングスター)』」

「『設置(セット)』」


唱えた瞬間、自分の背後に魔力の塊が生成されたのを感覚的に感じとる。

この訓練場にいる全員の視線を感じる。それでも構うもんか。

目の前の標的に狙いを定め、撃つ。それだけだ。


「『発射(バースト)』」


魔力の塊、星の形をしたそれは、光の尾を引きながら狙い通りに飛んでいく。

そして、的である鎧に当たり、小さな穴を空けて、()()()()

……貫通?


「わぁー!待ってストップストップ!」


僕の願いは叶わず、鎧を貫通した星は勢いが止まることはなく、訓練場の壁にめり込み、ようやく止まった。

壁すら貫通するんじゃないかと不安だったが、なんとかなって良かった…

僕はそんな思いを抱きながら振り返った。…振り返ってしまった。


「日影様?威力は控えめにしてと私言いましたよね?」


そこには鬼がいた。いや怒ったサラさんがいた。

僕は晴に目線だけで助けを求めた。

返事は念話で来た。


『ごめん無理。頑張って!』

『裏切り者ぉ!』


僕はなす術なくサラさんに引っ張られて行った。







「総員!勇者様たちの魔法は規格外すぎるので、参考にしないように!」

『了解です!将軍!』

第十三話でした。


ポンコツ勇者ズと苦労人王女でした。



天照・・・込められた魔力に応じた擬似太陽を生成し、狙った方角に飛ばす。

        一定距離進んだら消える。赤のファイアに似てる。


流れ星・・・星の形をした魔力弾を高速で飛ばす。魔力弾の跡には光の尾が見える。

      『設置』で自身の背後に展開して、『発射』で飛ばす。





おまけ



「やっぱ日影様と晴様の関係推せるわ〜」

『分かる』

「やっぱこっちの世界でも幸せになって欲しいよな〜」

「こらそこ!真面目に訓練しろ!」

「はい!了解です!」

「……後でその話私も混ぜてくれ」

「グラム将軍!?

    いえ、了解です!

存分に語り合いましょう!」

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