表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
八星の勇者に選ばれた少年リアム  作者: TO
第3章 新たな八星の出会い
84/191

第79話 セラvsラヴィニア前半

 ──空が裂けた。

 轟く爆音とともに、ヴァルラグナ遺跡の上空で光と闇がぶつかり合う。

 燃えるような蒼い光と、墨のように濃い闇が渦をき、雷鳴と閃光が乱舞していた。

 その中心で、二人の魔導士が対峙している。


 一方は、月のように蒼い髪を揺らし、冷ややかに微笑む女――セラ・フィオネ。

 もう一方は、黒衣をまとい、漆黒の杖を握る女――闇の魔女ラヴィニア。


 異界から来た魔女と、この世界に根づく魔導士。

 世界と世界、理と理が交わる瞬間だった。


 ◇ ◇ ◇


「――詠唱、開始。」


 セラの唇が静かに開かれると同時に、彼女の周囲に魔法陣が次々と浮かび上がった。

 一つ、二つ……瞬く間に二十。

 空を埋め尽くすほどの光陣が、すべて異なる属性の魔法を宿している。

 雷、氷、炎、風、土、光

 ――六属性の魔力が複雑に絡み合い、まるでひとつの生命体のように鼓動していた。


 ◇ ◇ ◇


「二十同時詠唱……面白いわね。」


 ラヴィニアの唇が妖しく歪む。

 その周囲にもまた、同じ数の闇の陣が現れた。

 紫電を帯びる杖の先が空を指す。

 次の瞬間、二十の魔法が同時に炸裂した。

 爆音と衝撃が交錯した。

 炎と闇がぶつかり、氷が砕け、雷が空を裂いた。

 その光景は、まるで神々の戦争のようだった。


 ◇ ◇ ◇


「相殺……!」


 セラが空中で身を翻す。

 魔法の衝突が互いの術式を打ち消し合い、空間が軋んだ。

 だが、止まることはない。

 次の詠唱、さらに次の詠唱――。

 互いの陣が三十、四十、五十と重なり、空が光で埋め尽くされていく。


「詠唱速度に……魔力の質も、ほぼ同等ね。」


 ラヴィニアが不敵に笑った。

 その眼差しには余裕すらあった。

 だが、セラの瞳は冷たく、どこか確信に満ちている。


「それは、どうかしら。」


 セラの声が風に溶ける。

 その瞬間――地上から巨大な爆発音が響いた。


 ◇ ◇ ◇


 ヴァルラグナ遺跡の外。

 

 レオンと影狼の戦いが、ついに決着したのだ。

 光の柱が立ち上がり、炎が夜空を焦がす。

 セラはそっと視線を落とした。

 その瞳に浮かんだのは、誇りと安堵の色。


「レオンの勝ちね。」


「……ふん、あの獣が負けるのは想定内でしたが、随分と早いこと。」


 ラヴィニアは小さく鼻で笑い、吐き捨てるように言った。


「所詮は獣。

 使い捨ての駒。」


 その言葉に、セラの表情がわずかに変わった。

 唇に浮かんだ微笑が、今度は鋭い刃のように冷たく光る。


「あなたも、その獣と同じ。

 すぐに私に負ける運命よ。」


「やってみなさい。」


 ──空が再び裂かれる。

 次に立っているのは、どちらだ。


次回:セラvsラヴィニア後半

読んでくださって、本当にありがとうございます!

投稿を始めてから、累計1000PVを達成することができました。

ここまで読んでくださった皆さんのおかげです。


「面白い」「続きが気になる」と感じて下さった方は、ぜひ下の【☆☆☆☆☆】から評価、または【ブックマーク】をお願いします!


あなたの応援が、次の更新の一歩になります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ