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八星の勇者に選ばれた少年リアム  作者: TO
第3章 新たな八星の出会い
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第71話 リアムvsバスティル後半

 次の瞬間、金色の剣が閃いた。

 バスティルの右腕が切り裂かれ、黒鎧が砕け散る。

 血が飛び、男が後退した。


「くっ……報告を……!」


 懐からポーションを取り出し、バスティルがそれを割る。

 だが何も起こらない。


「……転移が……発動しない!?」


 リアムは冷静に言い放った。


「馬鹿か。

 魔力質変換(マナ・シフト)を忘れたのか。

 お前の転移魔法も上書き済みだ。

 もう逃げられない。」


 バスティルの顔が蒼白になる。

 それでも、彼は崩れなかった。

 落ちた剣を拾い、自分の足に突き立てた。


「ぐっ……!」


 血が溢れ、地を染める。

 それでも彼は息を整え、静かに呟いた。


「……落ち着け、私」


 リアムは目を細めた。


「……痛みで正気を取り戻したか。流石だ。」


「変わらん。

 ……私は任務を全うする。貴様を捕縛する。」


「そうか。」


リアムが剣を構える。


「なら、一撃で決めよう。村のみんなも心配だ。」


「いいだろう。」


 バスティルが頷き、左手に握った剣に黒雷を集めた。

 リアムは小さく呟く。


「ーー魔力解放(まりょくかいほう)ーー」


 千変万化の糸が光を放ち、剣が輝く。

 溜めていた魔力が刃を通じて世界へと解き放たれる。

 風が唸り、空が震えた。

 リアムが足に魔力を溜め、地を蹴る。

 バスティルも黒雷を最大まで高める。

 二人の叫びが重なった。


「――神光一閃ッ!!(しんこういっせん)」


「――夜天雷斬ッ!!(やてんらいざん)」


 金の光と黒雷が衝突する。

 音が遅れて響き、世界が白く染まる。

 風が止み、時が凍った。


 そして――遅れて、黒い鎧が崩れ落ちた。

 光の中、バスティルの体が静かに地へ沈む。

 その口元に、かすかな微笑が浮かんでいた。


「……これが……〇〇の……器……か……」


 声が途切れ、雷が消えた。

 リアムは剣を下ろし、深く息を吐く。

 風が通り抜け、夜空に光の糸が漂った。


「……終わった、のか」


 倒れたバスティルを見下ろしながら、リアムは空を見上げた。

 満月が、静かに光を注いでいる。

 遠くで、鬼燐の蒼炎がちらりと揺れた。

 リアムはその方向を見つめ、呟いた。


「……守れた。

 今は、それでいい」


 風に乗って、金の糸が光を反射した。

 黒雷の残滓が消えゆく中、少年の瞳はまっすぐに輝いていた。

 ──その光が、闇の夜に差す唯一の希望だった。


次回:戦火の余韻と蒼炎前半

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