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八星の勇者に選ばれた少年リアム  作者: TO
第3章 新たな八星の出会い
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第69話 リアムvsバスティル前半

 ──空が、裂けた。


 黒と金の閃光が、夜を引き裂き、轟音が大地を震わせる。

 焦げた土と血の匂いが漂う鬼人の村。

 瓦礫と炎の中で、二つの影が対峙していた。


 一人は、黒鎧の騎士――バスティル。


 その剣には黒雷が纏い、空気を焼き尽くすように唸っている。


 もう一人は、銀髪の少年――リアム。

 その手に握られた剣は、金色の糸が形を変えて生まれた神器〈千変万化の糸〉。


 淡く輝く刃が、風にたなびく金の糸をまとっていた。

 雷鳴が再び轟く。

 互いの視線がぶつかり、息が止まるほどの緊張が走る。

 その瞬間――刃がぶつかり合った。

 金と黒が交錯する。

 雷と光が激しく弾け、衝撃波が地をえぐった。


「ぐっ……!」


 リアムは後方へ飛び退き、足を滑らせながらも体勢を立て直す。腕に伝わる重さが尋常ではない。

 バスティルの剣は、一撃ごとに雷鳴を孕んでいた。

 まるでその一閃ごとに世界を切り裂くかのような威力だった。


「……やはりアルメリアで相見えた時からおかしいとは思っていた。

 お前はただの器ではないな。」


 バスティルが低く呟く。

 黒雷がその身に走り、バスティルの体に電撃が纏う。

 しかしその瞳は、冷たいままだった。

 リアムは息を整え、剣を構え直す。


「どうでもいい。お前を倒す、それだけだ」


「倒す、か。面白い」


 バスティルの唇が歪む。

 次の瞬間、バスティルが消え、地面が爆ぜ、黒雷が走る。

 雷の軌跡が蛇のようにうねり、リアムへと襲いかかった。


「――っ!」


 リアムは即座に反応し、千変万化を盾の形へと変化させる。

 糸が絡み合い、瞬時に光の防壁を形成する。

 雷がぶつかり、金色の火花が散る。

 衝撃に盾にヒビが入る。


 破られると同時に、リアムは体をひねり、再び剣の形態へと戻す。

 その変化はまるで生きているように滑らかだった。

 剣と剣が先ほどよりも早く何度も交錯する。

 雷鳴と金光が混ざり、夜が昼のように明るく染まった。

 互いに一歩も譲らぬ攻防。

 空気が切り裂かれ、火花が飛び散り、世界が震える。


「先ほど言っていたな、リアム」


 バスティルが剣を押し合いながら低く言う。


「誰一人も傷つけさせないと。」


「……ああ、言った。それがどうした。」


「ならば、試してみろ。」


 バスティルが笑った。冷たい笑みだった。

 次の瞬間、バスティルが左腕を高く掲げる。

 雷がその腕を走り抜け、天へと伸びる。


「影狼、魔物ども――」


 腕が下ろされる。


「村人たちを噛み殺せ」


 その言葉と同時に、動きを止めていた魔物たちが雷を纏い一斉に咆哮を上げた。

 黒い波のように村中へなだれ込み、避難していた鬼人や子どもたちの方へと殺到する。

 リアムの目が見開かれた。


「やめろっ!!」


 しかし、魔物たちは止まらない。

 雷を纏い早くなった影狼たちは、牙を剥き、爪を振り上げ、悲鳴が夜空を貫いた。


「この数をどう助ける?」


 バスティルの声が嘲るように響く。


「誰一人も傷つけさせない――貴様の理想が、どれほど脆いものか思い知るがいい。」


 雷鳴が響く中、リアムはそっと目を閉じた。

 ――魔力の全てが、上書きされていく。



次回:リアムvsバスティル中盤

今日は6時、12時、20時の三話投稿です。


読んでくださって、本当にありがとうございます!

投稿を始めてから、累計1000PVを達成することができました。

ここまで読んでくださった皆さんのおかげです。


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