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八星の勇者に選ばれた少年リアム  作者: TO
第2章 リアムの誓い
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第26話 地図が示す深淵

 昼前。


 レオンはアークハウス内で地図を広げ、セラとリアムを集めた。


「……ここが、バスティルが行っていた深淵の森の場所だ。」


 セラが頷く。


「ええ。彼は八星が、この地にいると言っていた。」


 地図には、アルメリアの北西に広がる山岳地帯。

 その奥に「深淵の森」と呼ばれる黒い印。

 さらに小さく、鬼人の里という文字が刻まれていた。

 レオンは顎に手を当てて唸る。


「鬼人族……。やはり生きて残っていたか。」


「伝承では、先の大戦で滅んだ種族の一つだと聞いたが。」


 レオンの言葉に、セラは小さく首を振る。


「彼らは深淵の森に姿を消したと記録されている。

 つまり、完全には滅んでいない。」


 リアムは地図を見つめながら小さく呟いた。


「その村に、八星が……?」


 レオンは頷き、剣の柄に手を添える。


「確かめに行く。

 深淵の森にいるのは本当だ。

 俺たちが迎えに行かねばならない。」


 セラは少し不安げに眉を寄せる。


「でも、鬼人族はほとんどが相当の戦闘狂なのは昔から有名よ。

 嫌な歓迎されるとしか思えない。」


「構わない。」


 レオンは静かに言った。


「拳同士で分かり合える事もある。」


 ◇ ◇ ◇


 出発の準備が進む。

 セラは魔導具と薬品を整理し、レオンは補給物資をアークハウスに積み込む。

 リアムは帳簿を見ながら小さくため息をついた。


「……また報告書、出してなかったな。」


 セラが呆れ顔で近づく。


「書いてなかったの? 王宮に怒られるわよ。」


「書類仕事なんて面倒だろ。」


 セラは肩をすくめて笑う。

 レオンがそれを見てくすくす笑い、空気が少し和らいだ。


「さあ、明日の朝に深淵の森に出発だ。」


 リアムは青い宝玉を手に、歩きながら魔力の流れを整える練習を続けていた。

 セラはその背中を見つめながら、心の中で呟く。


『どうか……無事でいて。

 あの子が少しでも誰かを傷つけない様に。』



次回:感謝の声、旅立ちの時

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