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あの日の歌声  作者: 鵲三笠


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第13話 文化祭『開幕』

文化祭当日。校内は生徒たちが大勢賑わっていた。

各クラスが出店を開き、廊下に行列ができている。

匠たちのクラスの出店は射的だ。


「いらっしゃい!いらっしゃい!射的はいかがですか!的に当たると景品ゲット!」


景品にギフトカードなど豪華なものもあるので行列が長くできている。


「すごい人だかりね」


店番を務める由香が陽菜と共に客の対応をする。


「景品が豪華だもん。やっぱり皆欲しがるよね」

「ねぇ。店番終わったら一緒に回らない?」

「ごめん。私、演劇部の舞台を見に行きたいと思ってて」

「確か相田君が脚本担当してるんだったっけ?」

「うん」

「じゃあ私も見に行こうかな。どんな内容か気になるし。でも……」


由香は黒板に貼ってある店番のシフト表を見ると、相田という文字に×印がつけられていた。


「相田君……遅刻して来るみたいだけど、舞台大丈夫なのかしら?」

「それは大丈夫らしいけどね」


匠が遅刻する理由は退院後の検診だ。

予約が埋まっていて、文化祭当日しか空いていなかったらしく、病院に行ってから学校に来るみたいだ。


「とりあえず時間まで職務を全うしますか」

「うん!」



数時間経つと、体育館には大勢の生徒や先生が集まっていた。

文化祭のメインイベントの一つである、演劇部による舞台が始まろうとしていた。

陽菜と由香も店番が終わり、無事席に座ることができた。


「楽しみだね」

「うん」


陽菜は演劇部のパンフレットを見る。

タイトルは『クラスメイトが消えた日』。

文化祭の準備が佳境を迎える中、クラスメイトが突然ひとり、またひとりと消えていく。

しかも、その消えた人の存在を覚えているのは主人公だけ。

「最初からそんな人いたっけ?」と周りは言うが、確かにいたはずの仲間の姿が消えていく。

調べていくうちに、クラスに伝わる都市伝説「文化祭直前に、忘れ去られた人はこのクラスから消える」という噂が浮かび上がる。

果たして原因は何なのか?犯人は?そして、消えたクラスメイトは戻ってくるのか?

……というのがあらすじである。


『ただいまより、演劇部による舞台『クラスメイトが消えた日』を上演します』


舞台幕が開き、上演が始まった。



『以上で、『クラスメイトが消えた日』の上演を終了します。ありがとうございました』


演者たちが頭を下げると、たくさんの拍手が体育館に響く。


「面白かったね」

「うん。最後のシーン思わず泣いちゃった」

「分かる。ホラー系かなって思ったけど、ミステリー要素もたくさんあって最後に感動シーンがあるなんて思いもしなかった」

「匠君が来たら感想伝えないとね」


陽菜たちが体育館を出ると、それを待っていたかのように美奈が立っていた。


「やっほ~!陽菜ちゃん!」

「美奈ちゃん……」

「何その顔?嬉しそうじゃないね」

「……私に何の用?」

「やだな~!そんな疑う顔しないでよ!午後のライブお互い頑張ろう!って言いに来ただけだよ!」


美奈は陽菜の元に近づくと、耳元で囁く。


「こないだイケメンの男子と一緒に帰ってたね。彼氏?」

「……!」


陽菜は思わず美奈を遠ざける。


「ごめんごめん!ちょっと気になったから聞いてみただけ!でも……」


美奈は小声でボソッと呟く。


「あの男子かっこよかったなぁ~。陽菜ちゃんを見に来ると思うけど私の歌声で惚れさせて彼氏にしちゃおっかな?」

「……?」


どうやら美奈の企みは陽菜に聞こえていないようだ。


「じゃあね陽菜ちゃん!お互い頑張ろう!」


美奈は手を振ると、どこかへ去って行った。


「……」

「陽菜大丈夫?あの女に何か言われた?」

「大丈夫。大したことじゃないから。それよりお腹空いたからご飯食べに行こう?」

「うん」


二人は校舎に向かい、出店を探し始めた。



同時刻。匠は病院の待合室で悦子と座っていた。


「検査結果が出るのに時間かかってるみたい。もしかしたら……」

「……」


匠は焦りながら、腕時計を見る。


(間に合うかな……約束したのに……)


匠は陽菜の顔を思い浮かべずにはいられなかった。

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