第4話:燃えない薪の呪いは「湿気」だった!?コンビニ乾燥剤で魔除けを作る!
ソラノ村では、雨が降ったことでひとまず安心したかに見えたが、今度は薪に火がつかないという新たな問題が起こった。
村人たちは呪いのせいだと恐れ、途方に暮れている。
そんなとき、コンビニ店長・慧は薪の「燃えない理由」を科学的に見抜く。
今回は、身近な乾燥剤と自然の力を使った、実践的で少しほっこりする知恵の物語だ。
ソラノ村は、先日の大雨でやっと落ち着いたかと思ったが、今度は別の問題に直面していた。
「薪に火がまったくつかないのだ…」
村長が深いため息をつき、村人たちも不安そうに薪を見つめている。冬が近づき、暖を取るための薪が使えなければ命に関わるのだ。
巫女リアが慌てて慧のもとへ駆け込んだ。
「けい様、またお願いがあります。薪が燃えなくなってしまいました。村では“呪い”のせいだと噂されています…」
慧は村の薪置き場へ向かい、一本の薪を手に取った。
「本当に呪いかどうかは、よく観察することだ」
薪を軽く叩いてみると、ずっしりと重く感じられた。
慧は薪を鼻に近づけて匂いをかぎ、手で触れてみる。
「湿っている。木が水分をたくさん吸い込んでいるな」
リアは目を見開く。
「湿気が多い…?そんなことで火がつかないなんて…」
慧は頷いた。
「そう。木が濡れていると火はなかなかつかない。燃やすためには、まず水分を飛ばさなければならない」
そのとき、慧はコンビニの袋から小さな袋を取り出した。
「これを使おう。乾燥剤だ」
「乾燥剤?」リアは首をかしげる。
「そうだ。これは水分を吸収する化学物質が入っていて、周りの湿気を吸い取る。薪の間に挟めば、湿気を減らせる」
さらに慧は、村の材料を使って簡単な乾燥装置を作り始めた。
透明なビニールシートを張り、太陽の光を集めて薪を温める装置だ。
「これで薪の水分を自然の力で蒸発させる。乾燥剤と合わせて効果的だよ」
村人たちは半信半疑だったが、慧の説明を信じて試すことにした。
数日後――
薪はすっかり乾き、火が簡単につくようになった。
暖かな炎が村中に広がり、村人たちは喜びにあふれた。
村長は笑顔で慧に言った。
「本当の魔除けは、こういう知恵のことだな。ありがとう、けい様!」
リアもにっこり笑い、
「科学と魔法は、違うようでつながっているのですね」
慧は照れくさそうに笑いながら答えた。
「俺はただのコンビニ店長だけどね。でも、役に立ててよかったよ」
薪が燃えないのは、呪いではなく「湿気」という身近な原因だった。
乾燥剤が水分を吸い取り、太陽の熱で薪を乾かす。そんな簡単な工夫で問題は解決した。
科学的な視点で物事を見ると、神秘的に見えた現象もスッキリわかる。
次回も、慧の知識とコンビニアイテムで異世界の困りごとをスマートに解決する活躍にご期待ください!