『高階氏は、業平の子孫で、速記に通じたること』速記談2026
高階氏は、在原業平朝臣の後裔である。業平朝臣が勅使として伊勢に参向した折、斎宮と密通し、斎宮は身ごもって男の子を生んだ。しかし、業平朝臣と通じたことも、男の子を生んだことも、斎宮に許されたことではなく、露見しては大変なことになるので、摂津守高階茂範に、自身の子として育ててもらうことにした。高階師尚というのが、その子である。世間にはそれを隠していたが、うわさは止められなかった。
高階茂範は、神祇伯高階峰緖の孫、兵部少輔高階令範の子である。師尚は従四位下備前守となった。師尚の子が宮内卿良臣、高二位成忠は、さらにその子である。
師尚は、速記の道に通じ、プレスマン、なかんずくカラープレスマンを収集していた。世間の人は、業平朝臣の血を引くだけあって、色好みだ、とうわさしたという。
教訓:完全に隠し切れていたら、この話自体、伝わらなかったはずである。