大雪の道を走り抜けろ!
遅刻パニックこれにて完結。
異空間から帰った後再び水の中で、溺れかけるも、少女の船召喚でまた助かり、少女は安堵するも、目に入った公園の時計を見て青くなった。
「諦めるな!俺たち二人は遅刻を回避するんだよ」
男子生徒は首を少女に持たせた。
少女は両手に男子生徒の頭と黒いものが入った瓶を抱えていた。男子生徒はその状態の少女を姫様抱っこして走っていた。
「そこを右」
少女は指示を出す。
曲がると高校が見えた。
校門の近くで、派手な格好をした女子生徒と清楚な雰囲気のある女性の先生がなりやら言い争いをしている。
女子生徒が起こった様子を見せた時、春というには寒すぎる冬に近い空気が二人の頬をなでる。
あっという間に空が曇り、ドカ雪が降り始めた。
二人は危うく滑り、転びそうになった。
「この雪じゃあ、走れねえ。ごめん。遅刻回避するって言ったのに」
男子生徒は悔し涙を流す。
少女は首と瓶を男子生徒にもたせる。
「何言ってんの。ゆきがなによ。凍った水よ。
船召喚」
少女は船を召喚して、男子生徒を乗せて、
「どんな水でも漕いでやる。ブレーキはお願いね」
少女は一心不乱に櫓を動かした。
すると勢いおく船は進む。校門を前にしたところで少女は漕ぐのをやめて、男子生徒の首と瓶を守る。
男子生徒の体は船の前に降りてブレーキをかける。
船が校門を突っ切り、ブレーキをかけている男子生徒の体が校舎に当たる寸前のところで止まった。
8時59分。
二人は遅刻を回避した。
「あの後、遅刻は回避したけど生徒指導の先生に捕まって、低体温症の症状で二人揃って保健室送りになったのよー。まあ、あの登校のおかげで学校で有名になってクラスで浮くことがなかったのは良かったし、小瓶のおかげで表彰状ももらった」
「けどね。ギリギリの登校絶対にやめるのよ」
「はーい、わかってる。明日はちゃんと早起きするのよ」
「あと一目惚れしたからって、パパみたいに女の子に首押し付けちゃダメだからね。」
「ママみたいに印象に残ろうとして、怪我したふりするも良くないからな」
「だーれがふたりのまねするか!正攻法でいくわ!」
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