8話 握りの心得①
寿司店員が口を開いた。
[俺の名前は中田碧だ。お前らの名前はもう知ってる。][フェアにしよう。能力を教えあってから戦おうか。]
[俺は何でも握れる能力 (寿司屋の感)]
だぜ。
[俺が言ったからお前らも言いな!]
「ああいいぜ。そうだろ?」
『ああ、まず俺は能力なしだがな。』
[能力なしだと?ならお前は仲間に殺らせるか。出てこい!]
《ういーっす!》
[こいつは三嶋兼。俺と同じく寿司店員だが俺より身体能力が低くてな。慎之介だっけ?お前の相手はこいつだ。]
「まだ俺の能力を言ってねーよ!」
[あぁ。お前が雑魚かもしれないのか。]
「なんだと?聞いて驚け。俺の能力はコード入力。コード入力した番号によって何かが起きる。」
[ふん。まあ聞いた限り強そうだがまだ開幕したばかり。俺に勝てる程の技量はねーだろうなぁ。]
中田が言う。
[見てな。]
中田がコンクリートブロックを拾い、寿司と同じような大きさに握り潰してしまった。
質量はそのまま大きさだけ握って小さくしたらしい。
[俺のこの力を見て怖気付いたなら、金をそこに置いて逃げていいぜ。]
無論、逃げるわけが無い。俺は戦いを受ける。