37話 馬首斬
────────15年前、馬首斬 陸 誕生。
「お母さん!やっと陸が産まれたね!」
当時2歳の未螺が言う。
「ふふ、そうね……」
馬首斬 紅葉。
未螺、淂瑠、陸の母である。
馬首斬家当主である馬首斬 快の后であり、馬首斬家が室町時代から続く戦闘の名家である以上、男である陸が正式な跡継ぎとして進路が決められるのは分かりきっていた。
「快さん、どうしましょうか……?」
「紅葉よ、俺は自らの子孫を危険に晒したくない。
俺たちが経験した苦労をさせたくない。」
「……つまり、例の話を進めるということでいいのですね。」
「あぁ……円満離婚と行こうか。
ただ、紅葉、君一人で3人の子供を育てるのは大変だろう、再婚相手、馬首斬家を代々支えてきた、佐藤家当主と再婚するといい……」
「佐藤 楼都府 さんね……わかったわ、ルツフさんはいい人だし子供を支える上でとても助かるでしょう。」
「じゃあ……今月が僕たちの最後になるな。」
「はい、快さん、それでもいつまでも心は繋がっているわ。」
──────────現在
「僕は馬首斬の家の出なんや……亀有にだって必ず勝てるはずや……」
陸がそういうと、背中から日本刀を取り出し、こう言った。
「僕は様々な戦闘スタイルを持つ総合派や……馬首斬の名にかけて……産みの父の思いに反してでも……!」
「僕は貫き通すで、この馬首斬の血を。」




