2話 昂り
少しこの話から弱グロ・弱鬱要素があります。
苦手な人は気をつけてください。
────あれから一週間がたった。
いよいよ開幕だな。
テレビで開幕までのカウントダウンをやっている。
これからハラハラする生活が始まるぜ。
『あと10分でサバイバルが始まります!!』
テレビの音量が少し騒がしく感じる。
だが、胸の昂りがさらに騒がしい。
『あと5分です!!!』
もうそんなに時間が経ったのか、少し楽しみのようで不安な感情が時間を加速させる。
────3、2、1
『開幕です!!!!!』
どうやら開幕したようだ────
少し外に様子を見に行くか。
誰か既に戦っているかもしれないしな。
アパートのドアを開け、階段を降り、少し道を歩いた。
すると、何だか物音が聞こえてきた。
近くで戦っているようだ。
そっちを見に行ってみると、空き地で闘っている人が居た。
消防士と教師が闘っているようだな……。
教師が文字の形をした刃物のようなものを投げている。
しかし消防士が水を出しそれを冷静に落としている。
どうやら教師の攻撃が止んだ。
消防士が追い打ちをかけ、水で相手に直接攻撃を始めた。
かなり高圧なようで、教師はダメージを大きく受けている。
これは教師の負けだろう。
────パァンッ
「え?」
人がはじけ飛んだ衝撃とともに、自分の感情の昂りに少し驚いた。
『1人目の脱落者が出ました』
腕時計に出た表示により、いよいよ自分が命懸けのゲームに参加したことを察することが出来た。