23話 人間
『ナイフで怯むならもう既に死んでるよ』
ナイフが刺さった回数、およそ14回─────
俺が好きなゲームでも人型のアンドロイドが人間を殺すのに28回ナイフを刺していた。
俺が刺した回数はその半分だ。
一般人が28回でようやく倒れるんだ。
刺すだけで殺せるなんて思っちゃァいない。
殺し合いで普通の人間の考えで勝てるなんて思うな。
俺は、俺は俺は俺は俺は!
人間をやめなくちゃ行けねぇな!
ナイフに音を貼った。
近くにいたアリを踏んずけてその音を貼った。
つまり生き物が潰れる音だ。
15回目のナイフだ。
潰れろ!!
グシャァ─────
「これで終わりだ。」
『まさか…なにか生き物が潰れる音を貼ったのか?』
潰れ始めてから完全に潰れるまで約2秒……ミラが反撃する隙はない!
─────カシャ
「な、なんだ?」
ミラが、自分を……撮った?
なるほど、自分と自分の周りの物体を止めることで、潰れなくしたと言うことか。
あくまで物体の動きを止めるだけ、音や光は動く。
音は既に消えている。
この攻撃を防ぎやがった。
化け物だ。
ミラが能力を解除する。
『私の能力を忘れてたのー?やっぱ必殺技はここぞの時に使うべきだよねー?でも正直ビビったなー』
ミラか能力を使わなかったのは意識から消すためか……しかし困ったな。この作戦が防がれてしまったのならば、いよいよ体力が無くなってくる。
「いい加減諦めろよ若造、もうお前の能力を忘れたりはしない。」
『もしかして、私が能力を使っていなかったのは、意識から消させるためだと思ってるの?だとしたらちょっと違うなー!』
ミラが小石を蹴る。
「何をしてっ─────」
─────ドッ
静かに石が壊れる音がなり、俺は後ろを振り返る。
そこにあったはずのトイレがない。
『能力を使わなかった理由はただ1つだ。』
『必要ないからだよ』
いや使わなかったら死んでたじゃん?




