17話 描写
─────風呂
佐藤のおかげで何とかあまり体力を使わずに勝てたぜ……
取り敢えず体力は戻った。
カメラの奴がいつ来るか分からない……
だがあいつと戦いまでに数戦は覚悟した方がいいだろう。
今すべきはトレーニングと研究だ。
─────朝
金がかなり貯まってきた。
ジムに入会したいからもう少し金を貯めたい。
ゲーム感覚のようだから人を殺している実感がわかないのだが、未だに少しだけ決着をつける時は胸が痛む。
だが自分が死ぬよりはマシだ。
トレーニングのために誰かに犠牲になってもらおう。
レーダーを辿り、近くの公園に着いた。
公園に男がいた。
男が振り向く。
『君は自分の仕事に誇りを持ってるか?』
「少なくとも"誇り"はないな」
『俺はあるぜ?給料が低くても、好きな仕事に誇りは持つ。』
「俺は給料も低いし好きでもないな。羨ましいぜ。」
『だけどお互いに自分への誇りはある。』
「なかなかいい事を言うな。仕事はなんだ?」
『アニメーターだ。』
「仲間になるか?俺もヒーロー物とか好きだぜ?」
「俺は"ヴィラン"だ。」
─────ザッ
俺の胸に傷が着く。
「うっ!」
『中谷遼太郎、そう呼んでくれ。』
突如攻撃され、一瞬混乱した。
冷静に分析する。
相手が空中に一瞬のうちにナイフの絵を書いた。
次の瞬間相手の手にナイフが握られ、中谷が投げたそれが俺の胸に当たった。
アニメーターということから書いたものを実体化する能力だろう。
「たとえ敵役だとしても自分の好きな物に誇りを持つってことか……かっけぇじゃねぇか!」
『ありがとう。だが少し違うな。』
「なんだ……?」
『俺が誇りを持っているのは"自分"だ。』




