1/1
プロローグ
初投稿です。
「屋上は青春の象徴だ。」と誰かが言っていた。
そんなことは断じてない、と俺は心の中で返事をした。
屋上に青春なんて幻想を抱いてる奴は、フィクションの見すぎだ。
一般にフィクションの舞台となることの多い屋上だが、校内で一番屋上に詳しい俺に言わせれば、あんな屋上は存在し得ない。
まず、屋上というのは綺麗な状態をキープすることができない場所だ。雨の日も風の日も吹きさらしなんだから当然と言えば、当然だが。
ましてや、屋上で昼寝なんてしようものなら、夏は熱射病、冬なら低体温症で病院送りだ。
つまり、屋上なんてのは、
暑くて、寒いだけの不便な場所だ。
西園寺 悠は惰性で箒を動かしながら、いつもの様にそんなことを考えていた。
感想は創作の励みになります。