第4話 獣人少女が仲間になりました
「改めて、助けて頂きありがとうございます!」
無事クエスト紹介ギルドに戻った2人、受付前でアーシアがぺこりと頭を下げた。
「こちらからもお礼を言わせて下さい。ミストさんにお任せして本当によかったです」
受付のお姉さんも同じように頭を下げた。
「いいんですよ、役に立てて良かったです」
周りに人が沢山いるギルドの中なので、何だか照れ臭い。
「それにしても……無茶したら駄目ですよアーシアさん、本当はゴブリン1体の討伐クエストなんですから。地下3階以降はDランクモンスターも出てくるんですよ」
「すみません、すんなり倒せちゃったんで他のモンスターにも挑んでみたかったんです……でも、まさか罠に引っかかるなんて」
お姉さんの言葉に、アーシアは肩を落とす。
罠にかかってしまうと、戦闘職は本来の実力が発揮できなくなる。
それが剣士なら尚更だ。
「でも無事で良かった……ゴブリンの魔石もあるのでアーシアさんはクエストクリアとなります! ミストさんはどうでしたか?」
「何とか手に入れてきました」
ミストは水のペンダントをカウンターに置く。
「流石ですね……これでミストさんはソロ冒険者として活動できるようになります!」
「ありがとうございます。あと……他にも戦利品があるので換金をお願いできますか?」
ミストは更にアイテムを乗せていく。
どんどん積み上げられ、全部出し終わる頃には山になっていた。
「す、凄い! 月光石にルオーラ鉱石、宝箱のアイテムだけじゃなくてモンスターの魔石まで……えっこれってまさか王家の盾!? 金の宝箱からしか出ないアイテムですよ!」
「歩いてたら見かけたので、解錠して貰っちゃいました」
「プロの罠使いでも半日かけてやっと開けられる金の宝箱を……ミストさんの罠スキル、更に磨きがかかったようですね!」
「は、はわわわ、これは現実ですか……!?」
戦利品の山を見て、アーシアは口をパクパクとさせる。
「……やっぱりミストさんって名の知れた冒険者なのでは、そうじゃないとこの量は説明がつきませんよぉ」
「ミストさんは何てったって冒険者ギルド所属ですもんね」
「元、ですけどね」
お姉さんの言葉に、ミストは自虐的に付け加える。
「ミストさん、どうか私をパーティーに入れてもらえないでしょうか!」
「え?」
ミストにとってアーシアの申し出は意外だった。
彼女のような獣人族は、Bランク以上のパーティーからの勧誘を経て加入するのが常だ。
特にAランクの高いパーティーにはスポンサーが付いていることが多く、好待遇を受けられる。
将来が約束されたものと同じだ。
「やめといた方がいいよ、俺と組むメリットはないよ」
そしてミストのようなパーティーをクビになった者は基本的に良い目で見られない。
『追い出された側に問題がある』と周りに決め付けられてしまうからだ。
「私、ミストさんから学びたいんです!」
アーシアはぐいぐいとミストに詰め寄る。
「ダンジョンでは無様な姿を見せましたが、こう見えて私、力には自信があるんです! ミストさんのお役に立ちたいです!」
獣耳と尻尾を揺らしながらアーシアは言った。
正直、パーティーを組んでくれるのはすごく嬉しいのがミストの本心だ。
「私も賛成です、2人なら良いパーティーになりますよ!」
受付のお姉さんの言葉が、ミストを後押ししてくれた。
(ここまで言ってくれてるのに断るのも失礼だよな!)
「ありがとう、俺からも頼むよ!」
「よろしくお願いします、ミストさん!」
2人は握手を交わす、パーティー結成の瞬間だ。
「はーい、そんなお2人にオススメのクエストがありまーす!」
受付のお姉さんはアイテムの山の横からひょこりと顔を出すと、1枚の紙をカウンターに出す。
「これは?」
「街の近くにあるガウマ洞窟のダンジョンです。そこのアイテム獲得とモンスターの討伐がクエストの内容です。罠使いのミストさんと剣士のアーシアさんなら効率よく攻略出来ると思いますよ!」
ミストとアーシアは横並びになって確認する。
ダンジョンランクもE、丁度いい難易度だ。
「いいですね、明日はこれにしようか!」
「やりましょうミストさん、初の共同クエストです!」
――ミストは早くもソロを脱却し、新たな仲間との冒険に胸を膨らませるのだった。
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