魔法の訓練のようです
皆さん、おはようございます
もう一つ書いている作品の方でも同じことを書いているので、そちらで読んだ方もいるかもしれませんが、一応
ここ最近は雨続きの毎日に、雷もひどく嫌な天気が続いていることと思います
(関東だけかもしれませんが)
気温や天気の変化が大きいからなのか、気圧の変化が多く体調を崩しやすくなっているかも知れません
皆さんも体調には気を付けてください
次話の更新は明日です
では、『魔法の訓練のようです』です
お楽しみください
昨日決まった通り、今日から魔法を習う事になりました。
とは言え、メイドさんにも仕事があるので、教わるのは午後からとなりましたが。
午前中は書庫で本を読もう‥‥そう思っていたのですが、思っていた通り全く読めませんでした。
言葉も知らない言葉を使っている感じがしたので、文字も読めるか分からなかったのですが、案の定無理でした。
という事で、特にやることもなくだらだらと過ごしていたら午前中が終わり、ついに魔法を教わる時が来ました。
「ではお嬢様。まずは魔法についての基礎知識が、どの程度備わっているか確かめようと思います。まず、魔法を使うにはどうすればよいのですか?」
「魔法は何をしたいのかを思い浮かべながら、その魔法にあう詠唱をして魔力を込めれば使えると思います!」
「お嬢様は何でそのような知識をつけたのですか…?まあ、いいです。魔法の使い方は大きく分けて3つあります。一つは先程お嬢様が言ったような方法です。その方法は古代の技を模したものを、より小さな魔力で使用するために作られたとされています」
「(魔法はイメージじゃないのかな?)」
「とは言え、世間一般で“無詠唱”と呼ばれる方法があります。これは、詠唱を使わずイメージだけで魔法を使う方法です。これが古代で使われていた方法で、現代では廃れてしまった魔法の使い方です」
「(無詠唱は難しいのは異世界物では鉄板だけど、詠唱中はどうやって戦うつもりなのだろう?)」
「続いては魔法陣による魔法です。これは魔力を使える人ならば、誰にでも使える方法です。先に作られていた魔法陣に、魔力を込めることによって魔法を使います。魔力を使えない人など聞いたこともないので、誰にでも使える事にはなりますが、詠唱が必要ない代わりに使用できるのは一度きりで、魔力の使用量も多少増えるとされています。また、魔法陣で使えるのは上級魔法までとされています」
「キリア。魔法のレベル?って何段階あるの?」
「魔法のレベル、ですか?ああ、階級の話ですね。一番下は生活魔法です。魔力の操作をある程度できるのであれば、誰にでも使えると思います。普段の生活にも使われることが多いですね」
その後も説明は続き、魔法は生活魔法を始めとして7段階に分かれていることが分かった。
初級魔法、中級魔法、上級魔法、超級魔法、王級魔法、神級魔法の7段階だ。
魔力量は基本的には血筋によるものらしいが、実際の所は良く分かっていないらしい。
魔法の属性は大きく分けて8種類。
基本の4属性である、火、水、風、土。そして少し特殊である、光と闇。誰にでも使える無属性。最後に1万人に1人程度の割合でしかいない特殊の8つ。
そこに上級属性も入るのだが、それは一括りにしてもいいと思う。
「少し話がズレましたが、魔法陣では特殊は使えません。これに関しては完全に個人的な能力だからです。お嬢様の魔法属性は本日調べますので期待していてください。では、最後の魔法を使う方法について説明しますね」
「(詠唱に魔法陣。この二つ以外の方法って何だろう?血統とかかな)」
「最後は精霊魔法です。名前の通り精霊に魔力を与えることで、力を貸してもらう魔法のことを指します。精霊魔法については分かっていることも少なく、使える人と使えない人の差については分かっていないのが現状です。精霊には小精霊、中精霊、大精霊、精霊王、精霊神の五段階に分けられています。精霊王は基本属性と光と闇、それぞれの属性にいるとされます。精霊王、精霊神は加護を与えてくださることはありますが、彼ら自身が契約をしてくださることはありません」
「契約って何?」
「それを言っていませんでしたね。小精霊、中精霊までは魔力を与えることによって、力を借りることができます。これは大精霊も同じなのですが、大精霊とは契約をすることができます。大精霊はその個体数も少なく、そうそう人前に姿を現すことはありません。ごく稀にではありますが、大精霊が人前に姿を現すことがあります。その時に契約を結ぶことができれば、大精霊の力を借りられるようになります」
その分、使用する魔力量も多いのですが、と続けた。
私の魔力量がどの程度なのかは分からないけど、多いのであれば大精霊さんと契約してみたいな。
「では、これで魔法の基礎知識は大丈夫ですかね」
そこまで多くは感じなかったが、時間にしたら1時間ほど経っていた。
「では、お嬢様の属性を調べましょうか。こちらの水晶に手を置いてください」
「手を?分かりました」
私が水晶に手をのせると、青色、赤色と光った後、部屋中が光りに包まれた。
「キャッ!」
驚いて手を放してしまった。それに、後ろにお尻から倒れたため物凄く痛い。
「驚きましたね。3属性に適性がありましたか。特に光属性の適性は圧倒的に高いようですね」
「目が痛いです‥‥。どの属性に適性があったのか教えてください」
「お嬢様の属性は火と水と光の三つです。光は他と比べ物にならないほど高い適性をお持ちです。ついで火属性ですね。そして最後に水属性です。適性の低い順に水晶は光りますので。そして光が強ければ強いほど適性も高くなっています」
「では、光属性の適性が高すぎてあそこまで眩しくなったと、そう言う事ですか?」
「そうなりますね。適性が高くて悪いことはございませんよ。では、続いて魔力量を測りましょうか。では、こちらの水晶に手を」
「分かりました」
先程のような一気に眩しくなるようなことは無く、徐々に色が変化していった。
黄、緑、青、紫、赤、橙…になりそうになったが、赤色へと戻った。
「赤と橙の間ですか。お嬢様の魔力量は年齢の割にはかなり多い方ですね。お嬢様くらいの年齢ですと‥‥少ない方だと緑になりかかるかどうか、高い方でも緑と青の中間でしょうか。同年代の倍ほどはありそうですね。ですが、まあ侯爵家出身ですし、多くて困るようなことは無いでしょうから。おごることは無いようにしてくださいね」
「はい。分かってます」
その後キリアは、水晶の色の変わり方について教えてくれた。
黄色から始まり、緑、青、紫、赤、橙とあって、白、黒とあるらしい。
あくまでこれは小さい子供の初期魔力量を測るものなので、色が変わるのに必要な魔力量が少ないのだとか。
私もあと2、3年もすればこの水晶球ならば黒にまで到達できると、キリアから言ってもらえた。
大人用のものだと、この3倍から5倍ほどの魔力量がないと赤には到達しないらしい。間が大きいのは、それだけ橙色の範囲が広いからなのだろう。
「では、魔力を感じる訓練をしましょうか。まずは体の中を魔力がグルグルと回るイメージをしてください」
「(魔力が回ると言われてもなぁ。異世界物でよく聞くのは血液の流れをイメージする、だったっけ?‥‥‥‥おっ、なんだか体の温かくなってきたわね)」
「魔力が感じられたのならば、魔力が熱を持つと思います」
「熱って、ポワポワーって、温かい感じのやつ?」
「それです‥‥随分と速く習得なされましたね。では、それが徐々に徐々に早くなっていくイメージをしてください。徐々にですよ。一気に早くなされると、魔力の回路を初めて使ったので、回路が驚いて傷ついてしまう事もありますからね」
「そ、そうなるとどうなるのですか」
「まず、全身へ激しい痛みが走ります。その後は魔力不足と同じ現象である、吐き気や頭痛が訪れます。そして最後に、最悪の場合ですと魔力をまともに練れなくなります」
「わ、分かりました。ゆっくりですね(こんなところで、夢の魔法を使えなくなってたまるものですか!)」
「分かってもらえたようで良かったです」
あたしは魔力が徐々に早くなっていくのをイメージする。
自分の手首に指を当て、脈にそろえる様に早くしていく。まずは、100回で一周のイメージだ。
徐々に慣れてきたら、95回、90回、80回‥‥60回と短くしていった。
「(なんだか、体が重くなってきたわね。何が原因かしら?)少し気分が悪くなってきたのですが」
「魔力不足、魔力切れの兆候ですね。本日はこの辺りで終わりにしましょう。では、このポーションをのんでください」
「ポーション、ですか?」
「はい。ポーションとは魔力や怪我を回復する能力を持った、特殊な薬のことです。まあ、回復する薬だと思っていてください」
「そうですか。では」
「一気にですよ。ゆっくり飲むのはお勧めしません」
「分かりました‥‥ゴクゴク(に、苦い!こんなにも苦いもの初めてよ!)に、にがいです」
「お嬢様、お水です」
「ありがとう!‥‥ゴクゴク。ぷはー!苦すぎて、一時的に味覚が狂うかと思ったわ」
「まあ、ポーションとはそう言ったものですから。良薬は口に苦しですよ」
「そうですか」
「ポーションになれるためにも、今回はそれを飲んでもらいましたが、今後はもう少し苦みの薄いものを用意しますので。それに、先程の魔力を流す訓練を続けることによって、身体能力も多少ではありますが上昇しますし、魔力の使用キャパが圧倒的に大きくなります。また、使用キャパが大きくなることによって、魔法の使えるレベルも上がりますし、魔法発動までの時間も短縮できるようになりますから」
今日の魔法の訓練はそこで終わりとなった。
基礎を教わるのと合わせて、1刻ほど過ぎていたようだ。
~その頃とある伯爵家では
「お嬢様!明日こそは、魔力を流動させる訓練をしていただきますぞ!」
「大丈夫よ。私、天才だから!そんな訓練なんてしなくとも、魔力はふんだんにあるのだから」
とある伯爵家のご令嬢は、魔力量の測定で白と黒の間を出したことで天狗になっていた。
いや、昨日には天狗になっていたのだろう。転生者であるが故に。いや、乙女ゲーをプレイしていたが故に、ゲーム内でのヒロインは訓練などしなくとも、強くなれると錯覚していたのだ。
いや、成長してからでもいいと思っていたのかもしれない。
事実の所は分からないが、しばらくの間その伯爵家では講師がご令嬢に対して、勉強をさせようとする声が響いていたとかいなかったとか。
最後までお読みいただき有難うございました
ゲームでの裏設定
ゲームでは悪役令嬢が練習をサボっていたために知られていませんでしたが、セシリアさんはかなり将来有望なお方でした
ゲーム内でも一部出ていたが、身体能力の方も普段運動していない割にはかなり高かったようです
魔法の方は現在のレイネシアがそちら方面に突っ走っていますね(笑)
今後とも、セシリアさんへの応援をよろしくお願いします
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