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悪役令嬢への転生

始めましての人も、そうでない人もこんにちは

シシノと申します


この度は、こちらの作品をお読みいただき有難うございます

悪役令嬢物を書くのは初めての試みとなりますので、色々とおかしな点があるかもしれませんが、その際には修正点などを教えていただけると助かります


面白い、また読みたいなど、思っていただけましたら、ブックマーク並びに評価のほどよろしくお願いします


では、『悪役令嬢への転生』です

お楽しみください


『セシリア・レイン・アンクラジーネ・クロケット

お前との婚約を、今日この場において解消することを宣言する!』

『何故なのですか、殿下!』

『何故、だと?まだしらばっくれる気か!

この場でお前の罪を告発してやろう!

まず、貴族・平民の差別を存在しないものとしているこの学園内に置いて

侯爵令嬢の立場にありながらそれを先導していたな!』

『そ、それは』

『まだまだあるぞ!

私が話した令嬢に対して、圧力をかけていたな

誰がその様な事を頼んだのだ?』

『それは私の婚約者である殿下に

色気を使っている令嬢がいたからです!』

『ほう。では、伯爵家のご令嬢である

レイネシア・サン・グレイラット・ラーモス嬢を

階段から突き落としたのは何故だ?

私は一度も誘惑などされた記憶などないぞ?』

『その女は殿下のいないところで

殿下に取り入る算段を企てていました!

その場に偶然居合わせ、注意しているさなか

彼女に襲われたからです!』

『ほう。では、私の言っていることが嘘だと

そう言っているのだな』

『そうではございません!

殿下は伯爵令嬢に惑わされているのです!』

『先と言っていることが変わっているぞ

お前が階段から押しているのを見た

そう言っている生徒が数名いた

偶然階段を通りかかったそうだ

お前が言いがかりをつけ

次の瞬間には押していたと言っていたぞ』

『そんなことはございません!』

『この際だから言っておこう

私はお前に対し一切好意的な感情を抱いたことがない

その意地の悪さを主張するかのような

強すぎる香水の匂い

私の婚約者である立場を笠に着た

他のものに対しての横暴なふるまい

そのすべてが、一切気にくわなかった!

王太子としてお前を水都へと追放する!』

『でんかぁぁ!』

《水都への追放の決まったセシリア元侯爵令嬢は

殿下の護衛によって卒業会場から連れ出された

その後水都へ向かう船が強大な魔物に襲われ

それ以来セシリア元侯爵令嬢を見たものはいなかった》

《セシリア元侯爵令嬢の乗っていた船を襲った魔物は

王都へと進行し、それを止めたのがレイネシア伯爵令嬢であった》

《聖女として称えられることとなったレイネシア伯爵令嬢と

クライス王太子殿下はその時の功績によって婚約者となり

その後は順風満帆な生活を送ったという》




「静香!」

「風李、どうしたの?」

「昨日やっと、最後まで終わったよ!」

「本当!どうだった、どうだった!」

「すっごい良かった!最後も悪役令嬢が追放されて、魔物にやられたのでスッキリしたし」

「そうそう!あの最後、すっごいスッキリするよね!」

「それに王子もカッコよかったし!」

「風李は王子ルートで終わったんだ。私はリクライト様のルートにしたんだ」

「王子に追放されるとこまでは分かるけど、その後どうなるの?」

「リクライト様のルートだとね、リクライト様と一緒に魔物を倒すことになるのよ。その後は姿をくらまして、2人で静かに暮らしたんですって」

「その終わりもいいわね!でも、やっぱり私は———

「風李!危ない!」




「(あれ?私、車に轢かれて、その後‥‥痛っ!)」


 後頭部にズキッとした痛みを感じ、頭を摩る。


「(なんだか、頭が柔らかい様な?)」


 いつもよりもぷよぷよとした感覚に違和感を覚えつつも、痛みの走った後頭部を摩る。

 そうしていると、扉が開いた。


「(えっ?メイド?てか、部屋ひろっ!何でこんな大きな部屋に?病院じゃないの?私を轢いたのが凄い金持ちだったのかな?)」


 メイドは驚いた表情をして扉の前にいたが、風李にはその部屋の広さの方に気が行っていて、それに気づいた様子はなかった。


「旦那様!奥様!」

「(旦那様?奥様?そんなお金持ちだったの?と言うか、けが人が起きたとしたら、まずは医者を呼ぶんじゃないの?)」




「そんなに騒いでどうしたんだ」

「そうよ。そんなに騒いで、体に響いたらどうするの?」

「申し訳ございませんでした。ですが、お嬢様が…お嬢様がお目覚めになり…」

「なに!?」

「それを早く言って頂戴!」

「「シア!」」

「(えっ?誰と間違えられてるの?てか、シアって、外人の名前なんじゃ?あれ、だとしたら何でこんなハッキリと言葉が理解できているの?私英語の成績、いつも2だったよね?)」

「ようやく起きたのか。心配したんだぞ!」

「シアちゃん。目が覚めて良かったわ。一生目が覚めないんじゃないかって、すごく心配したんだから!」


 風李を覗き込みながら自身を《シア》と呼ぶ二人の外人を呆然と見つめる。


「(本当にそんなに似ているわけないよね?だって、こんな美男美女な二人から生まれた子だもの。私も顔は悪い方では無かったと思うけど、そこまで良かったわけでは無いから。それに、男の人の方は金髪で、女の人は白っぽい銀髪だから私の黒髪には似ても似つかないはずよね?)」

「もう一週間も寝ていたのよ。大丈夫?何があったか覚えてる?」

「え~と‥‥どなたかと勘違いしてませんか?」

「シア!私達のことを忘れてしまったのか!?」


 旦那様と呼ばれていた男性は、私の肩に手を置き揺らそうとしてくる。


「ダメよ!記憶がなかったとしても、シアちゃんは気を取り戻したばかりなのよ!揺らしたら駄目よ」

「そ、そうだったな。すまなかった」

「それで‥‥誰かと勘違いしているんじゃ‥‥」

「そんな訳がないだろう?その金色の髪に先の方は少し銀色になっている。そして、私とレイナの目と同じ色のオッドアイだ。間違えるわけがない」

「(名前…いや、通称かな?それがシア。金髪で先は銀色。目は碧眼と灼眼でオッドアイ。最近、何かで見たような気が・・・・・ああっ!そうよ!セシリア・レイン・アンクラジーネ・クロケットの見た目そのまんまじゃない!まさか、あの、悪役令嬢のセシリアに転生したって言うの!?)あの、手鏡はありますか?」

「うん?手鏡か。何で必要なのかは分からないが、自分の見た目も忘れてしまったのか?まあ、いい。手鏡を持ってきてくれ」

「分かりました」


 メイドは部屋から出ていくと、数分ほどで戻ってきて手鏡を渡していくれた。


「ありがとうございます」

「もったいないお言葉です」

「(や、やっぱり。悪役の侯爵令嬢だった、セシリアにそっくりじゃない!まだ体は小さいし、顔つきも幼い感じがするけど、キっとした目元とか。何でもっと早くに気付かなかったのよ、私!よく見たらセシリアのお父さんとお母さんの見た目も、その時と全く変わっていないし。あれ?学園に入ったのって15になってからじゃなかったっけ?まあ、いいか。そんなのは粗末な問題ね)ええっと。お父様?お母様?私の名前は、シア、であってるの?」

「ええ。本名は、セシリア・レイン・アンクラジーネ・クロケットがあなたの名前よ。私はレイネ・アライン・フィルシーネ・クロケット」

「私はアンクロード・シンセント・クライス・クロケットだ。お前のお父さんだぞ。何時ものように、パパ、と呼んでくれていいんだぞ」

「(うっわ。見た感じ7か8位の女の子に『パパ』と呼ばせてるとか。いくら地球の現代とは違うとは言っても、ちょっとキツイわ。ああ、でも静香も大学に入る前まで、そう呼ばされてたって言ってたっけ?外では『お父さん』とか『父が』とか言っていたけど、家だと『パパ』って呼ばないとすねるとか言っていたんだっけな。とは言え、精神年齢20前の私からすると、ちょっと…いや、かなり恥ずかしいから)やっ!(これも恥ずかしいけど、今後もずっと恥ずかしい思いをするのは勘弁だから!)」

「あらあら。じゃあ、私のことはお母様、と呼んでちょうだい。これからはパーティーにも出席することも増えるから、そろそろ変えさせないととは思っていたから、丁度いいわね。それでいいわよね?クロード」

「はいぃ」

「(ちょっとかわいそうだけど、この一線は超えたくないわね)お父様」

「何だい、シア」

「魔法、学びたいの。ダメ?」


 魔法。それは私がやっていた乙女ゲー『マジカル☆アドベンチャー』の世界で使われていた、攻撃や生活を豊かにする方法の一種だ。

 乙女ゲーじたい初めてやったので、女尊男卑の薄い世界観が薄いのが普通なのかは分からないが、取り敢えず異世界物の乙女ゲーで、現代社会の科学技術を退廃させて、魔法を使えるようにしたような世界だ。

 魔法はイメージが大事と言われているため、イメージをしやすいようにと、ヒロインや攻略対象たちがちょっとしたバトルシーンの際に、長々しく、恥ずかしい詠唱をしていたのが記憶に残っている。

 無詠唱でも良いらしいが、魔法を使うには詠唱を覚えるのが手っ取り早いと言われている。


 異世界に来たからには魔法を使いたいため、すこし恥ずかしいが上目遣いでお父様に頼んだ。


「わ、分かった。魔法だな。今週中に、講師の先生を呼ぶとしよう。ここは王都からも近いし、遅くても来週には見つかるだろう」

「ありがとう、お父様!」

「もう、クロードったら。シアに甘すぎるんじゃない?」

「そ、そうだろうか?だが、魔法を覚えさせるのは、そろそろ始めても早くはないと思うのだが・・・」

「それもそうね。シアはもうすぐ7歳ですものね。そろそろ教えてもいいころですね」

「私が教えましょうか?私も魔法はそれなりに使えますし、難しいものでなければすぐにでも教えられますが」

「それもそうだな。じゃあ、講師の先生が来るまではキリアに頼むとするか」

「(さっき取り乱していたメイドさんか。うーん。メイドさんも魔法使えるのか。もしかしたら生活魔法とかかな?)いつからできるの?」

「では、明日からにでも」

「それはいいが、あまり無理はするなよ。怪我明けなんだからな」

「はい!」


 私は元気に返事をして、その日は休んだ。




その頃、とある伯爵家では‥‥


「ヤッター!ヒロインよ!あの乙女ゲーの世界で、聖女となったヒロインね。サブヒロインとかじゃなくて、正ヒロインよ!全部のルートをコンプしきった私なら、全員を落とすハーレムルートだって夢じゃないはずよね!ゲームじゃ全員をコンプするようなルートは無かったけど、ここは現実なんだからそんなこともできるわよね!」


 伯爵家のご令嬢としてあり得ないような奇声が、一晩中聞こえ続けたそうだ。


最後までお読みいただき有難うございました

今話では、主人公パートが主な部分となっていましたが、ここから先、徐々に伯爵令嬢のほうのパートも増やしていく予定です


作品をもっと読みたい、続きが気になると思っていただけましたら、ブックマークならびに評価の方よろしくお願いします



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