しろつめくさのベッド
なつのはじめ。
くまのまくちゃんは、森の中をおさんぽしていました。
木の葉が、みどりいろにかがやいています。
しろつめくさの白いぽんぽんした花もいっぱいさいています。
まくちゃんは、うきうきしてきました。
しろつめくさの花をつもうとしたとき、どこかで声がしました。
「ふわぁ、いいきもち」
声のしたほうをみると、うさぎのねねちゃんが、ねっころがっています。
「ねねちゃん、なにしてるの?」
「うふ、しろつめくさのベッドでねるときもちいいよ」
「ほんと? ぼくもやってみる」
まくちゃんもねねちゃんのとなりで、ねっころがりました。
しろつめくさのにおいが、ほわんとします。
なんだか、ふかふかいいきもち。
「ねむくなっちゃうね」
ねねちゃんとまくちゃんは、そのまま、すーすーねむってしまいました。
しばらくして、きつねのコンすけくんと、たぬきのポンきちくんがやってきました。
「ねねちゃんとまくちゃん、どこにいったのかなぁ?」
「いっしょにあそぼうとおもってたのにね」
きょろきょろしています。
「ねぇ、あの白い花をつんであそぼ」
コンすけくんとポンきちくんは、しろつめくさの花をつみはじめました。
白いぽんぽんした花をあつめます。
ぷにん
「ふにゃあ」
「わぁ!」
コンすけくんは、しりもちをつきました。
「どこさわってるの」
ねねちゃんが、むっくりおきあがりました。
「わぁ、ねねちゃん」
そうです。
コンすけくんは、うっかりねねちゃんのしっぽと、しろつめくさの花とをまちがえたのです。
「びっくりしたぁ。なにしてるの?」
コンすけくんが、ききます。
「しろつめくさのベッドでねてたの。まくちゃんもいるよ」
「ふわぁ」
まくちゃんもおきあがりました。
「へぇー、しろつめくさのベッド?」
ポンきちくんが、ふしぎそうにいいました。
「うん。きもちいいよ。みんなでねっころがってみよ!」
ねねちゃんが、わらいながらいいました。
コンすけくんもポンきちくんも、ごろんとねっころがりました。
青い空が目にとびこんできます。
風が、さやさやふいています。
「きもちいいねー」
みんなならんでねっころがっています。
おひさまが、にこにこわらっていました。