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二十一話 長期休みの過ごし方10

すみません。今回は短めです。


「お姉様、速いです・・」


メルシアさんの後ろからやってきたメルシアさんそっくりの子。


「その子って・・」


「姉がいつもお世話になっています。妹のロゼッタです」


妹がいるとは聞いていたけれどちゃんと会って話すのは初めてだ。


「似てますね」


見て最初に思ったことがそれだった。


「似てるのは見た目だけですよ。・・両親はどちらもロニア家の人なので髪の色とか同じなんです。あー、この緑の髪はロニア家の特徴です」


「ほとんど話したことがなかったんじゃなかったのか?」


「お互い時々姿は見ていたのですぐに仲良くなりました。さっきなんかロゼの友人を紹介されて・・」


「お姉様、それはダメです。お二人にバレたらダメなんです!」


「そうですね」


「あ! ロゼッタ!」


ナーシャ様が嬉しそうに走っていく。


「こんにちは。ナーシャ様」


「ねえ、一緒に遊んでくれませんか? 貝殻ひろいたいの!」


「貝殻ですか。たくさん落ちてそうですね。砂浜の方に行きましょうか」


ナーシャ様とロゼッタちゃんは面識があるのだろうか?


「メルシア」


「ナテア様、なんですか?」


「ロゼッタはいつもナーシャとよく遊んでくれてる。ナーシャには歳の近い子が周りにいないから・・」


「そうですか。ちゃんと仕事をできているならよかったです」


「メルシアもたまにはそっちの担当でも良いんじゃないか?」


「私は嫌ですよ。ただのメイドとして動いている方が楽で良いです。それより」


途端にメルシアさんの顔がすねたようなものになる。


「リュード、ロゼから聞きましたよ。どうして真っ直ぐ渡してくれないんですか?」


「?」


「プレゼントのことです。あと、サイズがぴったりすぎるのも気になります」


リュードさんはメルシアさんに何を送ったのだろう? ぴったり・・服? でもメルシアさんは喜ばなさそう。


「その・・どう渡していいのかわからなくて・・」


「なら、どうしてホルダーがぴったりの大きさなんですか?」


「・・ちゃんと合うように作ったから」


「レオン、ホルダーって?」


こそっと聞いてみる。


「メルシアはスカートの中に色々仕込んでるだろ。それを仕込むために付けとくやつのことだと思う。確か腰に引っ掛けてたり足に巻いて留めてるはず」


「そんなものをぴったりの大きさにして送ったら引かれるだろ」


つまり、ウエストや足の太さがわかってないとぴったりにならない。


「い、いつ測ったんですか? どうやって・・・」


「あ、違う! 俺が測ったんじゃなくてカリアが」


「カリアに頼んだってことですか? 勝手に?私の知らない間に?」


「違う。その・・ドレスを作るときにあっちこっち測るだろう。その記録した紙はカリアが持ってるから教えてもらって・・」


「・・まさか、全部見たんですか?」


「見てない! その・・カリアは全部言おうとしたけど、必要なところだけ教えてもらった」


「へー、そうですか。カリアは確かルーラ領に帰ってるんでしたよね? 帰ってくるのが楽しみですね」


いつもの笑顔で怒るメルシアさんではない。表情も声も怒っているのがわかる。


「俺が聞いたからカリアは答えてくれただけで、カリアは何も・・」


「それとこれとは別ですよ?」


リュードさんに詰め寄っているメルシアさん。とても可憐な服装とやっていることが似合わない。


「メルシア嬢は怖いな。ロゼッタもいつかこうなるのか?」


「ナテア兄様、女性というのはこういう生き物かと。メルシアもリモレも、もちろんアスカも怖いですよ。それぞれ別の怖さですけど」


「そうか」


この兄弟はなんて会話をしているんだか・・。


「メルシア・・その・・・合わないものを贈られたって困るだけだろ?」


「そうですね。・・・ありがとうございます」


「これ、食べるか?」


「・・はい」


今の二人の空気は邪魔してはいけない気がする。


「レオン、ロニア侯爵って怖いですか?」


「いつもニコニコしてる人だし怖くはないけど・・・怒ってるところなんて見たことないなら怒らせたら怖いかも」


「そういうタイプの方ですか」


「いきなりどうして?」


レオンが不思議の思うのも当然だろう。私は普段人のことを聞くことはほとんどない。聞くとしても何か関係がある時だけだ。


「休みの初日に侯爵がメルシアさんを迎えにいらしてたんです。その時リュードさんが何か言われたようで」


「あ・・、メルシアといい感じなのバレたってこと?」


「そんな気がします。メルシアさんが今ここに来ていることは知ってるんですかね?」


「知らないんじゃない?」


「知らないでちよ」


「みんなドラゴン使いが荒いのだ。逃げるために我を使うなんて」


ピキはサンドウィッチの入ったカゴを覗きつつ、リゲルは私によじ登りつつそういった。


「遅かったですね」


「やっとアスカのところに戻って来れたのだ。やっぱりアスカがいいのだ」


「そうでち。他はアスカよりも扱いが酷いでち」


「なんか汚れていますね」


ピキとリゲルと捕まえて濡れているタオルで綺麗に拭く。


「まさかロゼッタちゃんまで乗せてきたんですか?」


「強制的に、なのだ」


2匹は私のペットなのに。でもロゼッタちゃんならいいか。


「イヴさんにホイホイついていくのはダメですよ」


「言われなくてもそうするでち」


ゴローンと自由なドラゴン達。こんなのが世界で一番強い生き物なんてこの世界はどうなっているのだろう?


「ドラゴンは最強なんですよね?」


「そうなのだ」


「疑ってるでち?」


「2匹をみていればそう思いますよ」


穏やかな日常。後で思えばこれが最後のゆったりのんびりとした気楽で楽しい日々だった。
























読んでいただきありがとうございます。

流れは思いついているのですがどうそこに持っていくかまとまらず短い文章になってしまいました。いつもの文字数にするには時間がかかってしまいそうなので一回ここで切ることにしました。

次話がどうなるかまだわかりませんがどうにか先に繋がるようにまとめたいと思います。

次話も読んでいただけると嬉しいです。

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