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三話 選別2


 その頃リュード&リモレ班


 「なんでリュード様が?」


 「他の班が良かったな・・・」


 「どうせいつか回ってくるんだから・・・・・はぁ・・」


 後ろであれこれ言っているのが聞こえる。


 「・・・・リュード、そんな固い顔をいっつもしてるからじゃない?」


 「違う。昔、うっかり手加減し損ねたからでしょう」


 あれはひどい失敗だった。


 「私とあの人たち、どっちが強いかな?」


 「リモレに決まってる」


 「私、女の子だよ」


 リモレと勝負したこともあるが・・・女子であるのを忘れるほど強かった。


 「・・・私ね・・・・付き合うなら私より強い人がいいんだー」


 「・・・数えるほどしかいないような・・・・」


 「そうなんだよね・・・私が知ってる限り三人だけだよ」


 「・・・そもそもリモレは・・・・」


 男より女性にモテる。


 「はぁ・・」


 「なに?」


 「・・・・誰がこんなの企画したんだ・・・」


 邪魔になる眼鏡は外しているから口調が戻りそうになったり、つい素に戻りそうになってしまう。


 早く帰りたい。


 どうせまた悪評が広まるだけなのだからリモレだけでも良かったのに・・・


 「・・・・レオン様は幼い頃からこの辺りに来ていたらしい」


 「へぇー、それで強いの?」


 「知らない。・・・・元からそれなりに強かったと思うが・・・」


 出会った頃はまだ来ていなかっただろう。


 けれど強かった。今思えば、年上の兄二人に鍛えられたからではないだろうか?


 あの王子たちは運動神経はいいのだ。


 「アスカさんのこと・・・リュードはどう思う?」


 「・・・レオン様のお気に入り」


 「それはわかるけど・・・・」


 レオン様はあーいう変わった人を好む傾向がある。自分たちもそうなように・・・


 「・・・あれは驚いたよ。自分の婚約者にしようとしたやつ」


 「言い寄られるのがめんどくさくなったんじゃないのか?」


 「カリアもそろそろ女装できなくなるだろうしね」


 「いつまであの格好をするのか・・・」


 「身長がメルシアを超えたらやめてほしいね」


 「流石に・・・いや、カリアなら・・・」


 ずっと続けるかもしれない。


 でもカリアのそんな姿は見たくない。


 あんなのでも十年近く一緒に暮らしている友人だ。


 嫌いだけれど。


 「カリアとリュードって仲いいよね?」


 「どこが?」


 「いつも戯れてるし」


 「絡まれてるだけだ」


 「そうかな?」


 「わかっていてそんなことを言ってるんだろ!」


 「そうだけど?」


 リモレもカリアと同じように十年近い仲だ。


 最近は会うことも少ないけれど昔はよく一緒に遊んでいた。


 なぜかいつも俺ばかり遊ばれる。


 「いいなー、カリアは可愛い服が似合って」


 「・・・・リモレも着てみたら似合うなんてことも・・・」


 「ないない。全然違うよ。こんな仕事してるからかどこも女の子っぽくなくて・・」


 「・・・そういうものか?」


 「うん。・・・そろそろ私は引退しようかなー」


 「やめて」


 リモレがいなくなったらその仕事が俺に回ってくる。


 「メイドとして働くだけだよ」


 「・・・それなら・・・・ん?」


 「そろそろ何か出そうだね」


 「・・・10匹くらいか?」


 「もう少しいるかも」


 「どうする? 知らないふりをして試すか?」


 後ろにいる兵がどんな反応をするのか・・・


 「可哀想じゃない?」


 「いや、その方が面白い」


 「それもそうだね」


 あの中にはただの兵だけじゃなくて、騎士と呼ばれる者たちもいる。


 これで気づかなかったら問題だ。


 「リュードはどこに武器仕込んでる?」


 「同じじゃないか?」


 「メルシアに作ってもらってるの?」


 「他に頼める人がいない。・・・カリアは出来たっけ?」


 「前に頼んだことあるけどやってくれなかった」


 そろそろ・・・・


 『があぁあああー』


 「わあぁあああー!」


 「逃げろー!」


 「いきなり!」


 「そんなの聞いてない!」


 これはひどい。


 三分の一は逃げ出し、他の三分の一は固まって、他の三分の一がやっとで剣を向けている。


 「無理そうだよ」


 「・・・・片付けようか」


 仕方なく上着の内側からナイフを取り出して走り出す。


 「やっぱりそこに入ってたんだ」


 「他に隠す場所なんてないから。あ・・・・ベルトの内側にもあるけど・・」


 「メルシアはどうしてるんだろうね? 上着なんて着てないし」


 「あとで聞いてみよう」


 「・・・・これ、弱いよね」


 「・・・魔物ってこんなものなのか? ただの動物だった?」


 「・・・今度ピキと勝負してみる?」


 「そうだな」


 なんで兵たちがそんなに怖がるのかわからないくらい呆気なく魔物は倒れた。


 


 

 





 その頃カリア&メルシア班


 「メルシア、僕ってそんなに弱く見える?」


 「・・・強くは見えないと思います」


 「別に弱く見えるのはいいんだけどさ・・・あんなやって僕より弱い人になめられてるのは気に入らない」


 「そうですか」


 なんでカリアなんかと同じ班なんだろうと思った。


 カリアはリモレとの方が相性がいい。


 「・・・・メルシアは・・・・こういうの得意だったね」


 「はい! 一人でよくこの辺りには来てました!」


 それもだいぶ昔の話だけれど・・・


 「それいくつの頃の話?」


 「・・・まだ会う前でしょうか?」


 家がこの近くだったからよく遊んでいた。


 「すごいね」


 「いえ、・・・・言われたようにしていただけですから」


 「・・・子供の頃ってそんなものだよね」


 カリアも実家で何かあったからここにいる。


 なにがあったかは知っているけれどそのことについて話すことはない。


 「・・・・今度アスカさんの服を作ろうと思っているんです。一緒に作りますか?」


 「・・・うん。どんなの?」


 「夏服ですね。そろそろ暑くなってくるでしょう」


 カリアと話していて会話が弾むのはこんな話が多い。


 「今年もレオン様の服大きくした方がいいかも」


 「リュードのもでしょうか?」


 「リモレもじゃない?」


 「リモレはもう大きくなっていませんよ。あ・・・少し大きくしておきましょうか・・・」


 身長が伸びなくなっても服が小さくなることはある。


 「カリアはどうですか?」


 「帰ったら去年の夏服着てみるよ。けどさ、武器をどこに仕込むか迷うんだよね・・」


 「レオン様のは夏服も長袖で作らないといけませんし・・・」


 王族はだいたいこういう服、というなんとなくの決まりがあるのだ。


 普段はいいが、公式の場になるとどんなに暑くても上着まで着込まないといけない。


 逆に女性はパーティーなどでは冬のとても寒い時期でも夏と生地が変わらないドレスだ。


 もしかしたら見えないところで暖かい生地を使っているのかもしれないが、もこもこするわけにはいかないから暖かさは限られてくる。


 もちろん首周りは大きく開いているし、レースで作られる。


 「めんどくさいね」


 だから、どれだけ涼しく着れるようにするかが毎年の勝負になる。


 「今年は生地を変えてみようかと思っています」


 「どんな?」


 「それはまだ決まってなくて・・・」


 アスカさんに聞いてみたら何かいい案が見つかるかもしれない。


 「じゃあ、いっそ見えないところは抜く?」


 「?」


 「だって、首が上まである上着にすれば中の襟のあるシャツとかベスト着てなくてもバレないかも」


 「確かに着る枚数は減りますが・・・」


 「何か着ておかないと気持ち悪いだろうから、街に行くときのうっすいシャツでも着せて・・」


 「でも・・袖が上着の下からでも見えますよ」


 「だから・・半袖のを着せて、ちゃんとしたシャツの袖っぽいのは上着に付けちゃう?」


 「いいかもしれません!」


 私たちはそんな話で盛り上がり・・・


 数分後、魔物が出てくるまで仕事を忘れていた。


 


 


 

読んでいただきありがとうございます

今回はレオンとアスカは一切出てこないお話になりました。

代わりにリュード・リモレ・メルシア・カリアがたくさん出てきたかと思います。

やっと、普段そばにいるけれど素の姿はなかなか見れない四人の素が見れたかと思います。

なんだかんだ、レオンを含む五人は幼馴染です。実はとても仲が良いのではないでしょうか?

次はレオンとアスカも出てくる予定です

次話も読んでいただけると嬉しいです。

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