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主人公が鈍感(←理由あり)過ぎて、全然進展しないじゃないか!  作者: true177
第七章 修学旅行編(School Excursion)

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083 まさか、ね・・・・・・

七章ももう終盤です。

 亮平達は、小屋の玄関へと向かった。男達はまだ熟睡している様子だったので、起きてくることはないはずだ。


 「うわ、まじかよ」


 先行していた横岳から、溜息が漏れた。玄関の前には、色々なものが高く積まれていた。万が一逃げ出されるのを防ぐためだろう。簡単に脱出できるかと思ったが、さすがにそうは行かないようだ。


 積み上げられているものは、だいたいが金属でつくられているものだった。タチが悪い。乱雑に動かすと、大きな音が鳴ってしまう。


 幸い、一番上に積んであるものでも、手に届く範囲にある。時間をかければ、音を立てることなく取り除くことができそうだ。


 「俺が男達を監視するから、他のみんなは音を出さないようにものを除けて!」


 最低でも一人は監視をしておかないと、仮に男達の内の一人が起きたときに気づけない。亮平は、最初にいた部屋へと戻った。


 ――――――――――


 「霧嶋くーん、こっちはあとちょっとで終わりそうだから大丈夫だよ。そっちの方は大丈夫?」


 作業が始まって数分。ようやく、バリケードを撤去し終われるらしい。数分だと、普通なら少しの時間だが、今の状況では長い長い貴重な時間だ。


 「こっちは大丈夫。だから、最後まで慎重にね」


 分かった、という旨の返答が返ってきて、また亮平は少し玄関の方に向いていた視線を、元の男達の方に戻す。こちらは何事も変わらず、正常そのものだ。


 精神に少し余裕が出てきて、影島さんの学校の『北江中』についての事に頭が流れる。


 どこかで一度聞いたことがあるような名前だが、いつ聞いたかは思い出せない。少なくとも、亮平達の学校の周辺には無いのは事実だ。周辺の地図ぐらいは、頭の中にきちんと入っている。


 改めて、あたりを見回す。後ろに、今横岳らがいる玄関。左手に、未帆達と影島さんが拘束されていた部屋。そして、よく見るとその部屋の奥にも、もう一つドアがあった。


 影島さんがそうであったように、亮平達以外にもまだ拘束されている人がいるかもしれない。持ち場を離れるか一瞬だけ迷ったが、すぐに早歩きでそのドアの方へと向かった。


 (まさか、ここにも?)


 音を立てないように、静かにドアを開ける。正面にあったのは、洋式の便座だった。最近使用された形跡はないのか、まるで物置にしまってあった段ボールのごとく埃被っていた。


 「ピコン」


 背中の方でいきなり音がした。慌てて部屋に戻ると、ヘッドホンをしている男のポケットからスマートフォンが飛び出していた。画面が光っている。


 『アラーム設定時刻まで、あと三十秒です』


 (どうする、俺!いや、ここでパニックになっても良くない)


 幸い、パニックになる一歩手前で踏みとどまることができた。スマートフォンは男のヘッドホンへとつながっている。つまり、ヘッドホンを取れば、音が漏れることはないはずだ。


 ヘッドホンを取るのに失敗すれば、即男が起きる事につながるかもしれない。亮平は、慎重にヘッドホンを男の頭から外した。


 「亮平、こっちは終わったよ。早く、早く」


 ちょうどいいタイミングで、バリケードの撤去にも成功したようだ。亮平は、ヘッドホンをその場において、玄関へと向かった。開閉音に注意して、玄関の扉を開く。


 「寒・・・・・・くないな、あんまり」

 沖縄の夏は夜でも寒くない。亮平達の住んでいる場所ではあまり想像できない。


 「そんなことはどうでもいいから!」


 後続に押される形で、小屋から出る。外は、宇宙空間であるかのように静かだった。そして、道路が目の前にあった。


 全員が小屋を出たのを確認して、玄関の扉をゆっくり閉めようとした。そして、もうすぐで完全に閉まるというとき。


 「ジリリ・・・・・・」


 目覚ましの音が聞こえたような気がしたのは、気のせいだったのだろうか。亮平以外の面々も、顔に『まさか』という文字がでかでかと書いてあった。


 ―――――十数秒前―――――


 小屋の床に無造作に置かれた、ヘッドホンとスマートフォン。長年使っていて緩んでいたのだろう。スマートフォンの差込口とヘッドホンのプラグが、わずかに外れていた。


 そして、十数秒後。


 「ジリリリリリン!」


 大きな目覚ましの音のような音が、小屋中に響き渡った。 

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